この映画、私の感情がユラユラ揺れてしまいます。

 

観る前の情報は「田舎の町で元受刑者を受け入れる」というものだけ。

 

あと、主役が錦戸君ってことも。

 

錦戸君は普通の役がとても似合います。

 

濱田岳君のような困り顔でもないのに、なぜか巻き込まれ型がよく似合う。



 

錦戸くん演じる月末は魚深市の市役所職員。

 

彼は上司に6人の人間を駅や空港などで迎えるよう指示されます。

 

でも高い塀のところで顔に傷のある大野(田中泯)を迎えに行った時は「さすがにおかしい!!」と思った月末は上司に問い詰めます。

 


すると魚深市は過疎対策として仮釈放した元受刑者を国家の極秘プロジェクトとして受け入れるというものでした。

 


6人の罪名は全員殺人。

 


知っているのは上司と月末のみ。

 

そして前科者が徒党を組んではマズイので、なるべく受刑者同士、顔を会わせないようにと上司に釘を刺されます。

 

小さな町でよそ者が6人も来てそれは無理っしょ・・・。

 


 

バレたら絶対アウトなプロジェクト。

 

6人を受け入れて間もなく、港で死体が発見され月末は不安に襲われます・・・。

 

 



 

6人の受刑者たち。

 

一見普通の人たちですが、やはりどこか闇を抱えてる雰囲気が漂います。

 

市役所からは住居と仕事を与えられ、彼らは魚深で10年暮らすことになるのです。

 

罪を悔い改め、仕事を黙々とこなす者もいれば、何かしら良からぬことを考えている者もいます。

 

 

不穏な空気が常に漂う前半戦。

 

何か起こる!何か起こる!受刑者たちが徒党を組んで大量殺人とか(゚∀゚)!?とドキドキしながら観ておりました。

 

それが「のろろ祭り」という田舎にありそうな奇祭が行われた時、集まりが悪いからと手当たり次第に声をかけた月末の後輩のせいで受刑者たちが全員祭り会場に集まってしまいます。


 

ココがドキドキのピーク。

 

散髪屋で見習いをしていた元受刑者・福元が酒を飲んで暴れてしまい、それをコワモテの大野が抑えます。



 

どっちもよそ者。

 

しかも大野の顔が怖すぎて町の人たちがザワついてしまいます。

 

 

ああああ、やっぱりのけ者にされて受刑者たちで徒党を組んで大量殺人しちゃうのね(゚∀゚)!!(←しつこい)

 

 

しかし、いつ前科者だとバレるかとビクビクしていた福元を雇っている主人は彼の過去を知っても彼を優しく受け入れます。

 

主人も前科者だったから。

 

再出発の厳しさを誰よりも知っていたから。

 

 

大野を雇っていたクリーニングの女店主。

 

真面目に黙々と仕事をする大野に厳しい口調で接していました。

 

祭りの後から町の住人は大野にビビって店は閑古鳥が鳴きます。

 

大野は前科があるとカミングアウトをし、店を辞めようとしますが、「私はあなたを悪い人だと肌で感じたことはない!!」と引き止めます。

 

 

 

あれれ。

 

めっちゃええ話やん・・・。

 

 

妙にエロい太田(優香)も爺さん相手にエロっ気振りまいて介護センターに通う月末の父親のハートをゲット。



 

何が目的??とずっと思いながら観てましたが、どうも超恋愛体質の彼女は本気で彼を好きになったようで・・・。

 

 

最初から感じの良かった宮腰くんに至っては月末と友達になり、月末がやってるバンドに参加し、友人であり月末が密かに好きだった文(木村文乃)と付き合っていました。



 

 

 

あれれ。

 

これ再生のお話?

 


それにしては映画の雰囲気がずっとおどろおどろしいんですけど。

 

 

始めから人殺しになろうと思って生まれてきたワケじゃない。

 

真面目に生きていても、環境や出会ってしまう人間によって人殺しになってしまう人もいるワケで・・・。

 

自分は何があってもそんな恐ろしいことは絶対にしない!!と思ってても、これからどんな恐ろしい人間に出会うかわからない。


出会ってしまったら自分はどうなるかわからない。

 

罪を償った人間を色眼鏡なしで見られるのか。

 

 

そんなことを考えながらの後半戦。

 

のろろ祭りが全国紙に載り、1人の男性が市役所に訪ねてきます。

 


そこからストーリーはガラっと変わります。

 


男性は宮腰を指さし「この男性にお世話になったので、どこにいるのか教えてほしい」と言います。

 

個人情報なので無理と断られると町に居座り、誰彼かまわず宮腰の情報を得ようと声をかけます。

 

 

これ、

 

 

お世話になったって言ってるけど、絶対いい話じゃないですよね!!!

 

 

 

男性はたまたま杉山(北村一輝)に声をかけてしまいます。

 

彼も受刑者で根っからの悪者。いつも何かしら起こらないかとカメラ片手にプラプラしてました。


いつも悪そうにニヤニヤしてる杉山がエロいったらない。やっぱ北村さん好きだわーラブ

 

杉山は男性に宮腰の居場所を教えてしまいます。

 

 

宮腰くん、男性が誰かわかりません。


男性は以前宮腰くんが殺害した被害者の父親でした。

 

被害者の名前を言っても「えっと・・・やっぱりわかりません。」って本当にわからない顔してるんですよガーン

 


コワーーーーーーーー!!

 


そして襲い掛かった男性を宮腰君はためらうことなく殺してしまいます。


 

キターーーーーーー(゚∀゚)!!サイコパス!!!



 

これ、ヒューマンドラマか。って思ってたら、やっぱサイコパス出るんじゃん!!

 

 

宮腰くんは傷害致死で1年6か月の懲役刑。

 

しかし初犯は執行猶予がつくらしい。

 

では、なぜ懲役がついてるのか?

 

未成年に何かあったのでは?

 

月末の後輩、ヒマかwwってくらい受刑者のことを調べて月末に報告します。


 

宮腰を友達として接していた月末は、文を思い不安になります。

 

 

宮腰くんは居場所を教え、脅してきた杉山も顔色ひとつ変えずに車でひき殺し、その場にいた関係ない人もついでにひき殺します。

 

松田龍平くんはこんな役させると天下一品ですね。

 

短絡的な殺人なので、すぐに足がつくんですが「1人殺すのも2人殺すのも死刑になるのは一緒」って理由で事情を知ってる月末を殺そうとしてしまいます。

 


考え方がやっぱりおかしい・・・。

 

 

最後は2人が崖からダイブ、宮腰は浮かんでくるんですが、ちょうどのろろ様の頭が崩れ落ち見事にヒットしてしまいます。

 

のろろ様の祟りだべ・・・ってラストです。

 

 

サイコサスペンスと思って観始め、ヒューマンドラマだったのかとしんみりしてたらやっぱりサイコ!!

 

とテーマがゆらゆらしてるような。そんな映画でした。