民法改正について。
「連帯保証人制度は経営者などを除き廃止の方向で検討」されるそうです。
「連帯保証人」・・・これは単なる「保証人」とは違います。
そもそも「保証人」というのは、債務者がその債務を履行しないときに、その債務を履行する責任がある人のことです。
「履行」とは、決めたことや約束したことをきちんとする・・・という意味です。
ですから、何かやらないといけない債務を負っている人がきちんとしないときは、変わりに保証人になった人はやらなきゃいけない責任があるということです。
「連帯保証人」も保証人の一つですから、これは「保証人」との共通点です。
じゃ、何が違うか?
たとえば、私(智恵蔵)が、お金を親友「のりちゃん」から50万借りるとします
その際に、「のりちゃん」は私が万一、返済しない場合のことを考えて、親友「ともちゃん」を連帯保証人になることを条件にしました。
連帯保証人の契約は「のりちゃん」と「ともちゃん」が契約をします。
で、返済期日が来ました。
私は返済せずに音沙汰がない。
すると「のりちゃん」は
「お金を返してよ~」と私ではなく、連帯保証人となった「ともちゃん」へ先に請求することができます。
もし、「ともちゃん」が「保証人」であれば、「え~、私じゃなくて、智恵蔵に先に請求してよ
」と言えます。しかし、「連帯保証人」は、これを言えないのです。(これを連帯保証人は「催告の抗弁権がない」といいます)
もう一つは、仮に「のりちゃん」が智恵蔵に、「あんた、金を返さんかい
」と先に催告したとします。そのあとに、「連帯保証人」である「ともちゃん」に「ともちゃんも、連帯保証人なんやから、代わりに返さんかい
」と言ってきた場合、「ともちゃん」は、「待って、待って~。智恵蔵はお金を持っているはず」とは言えないのです。
もし、「保証人」であれば、「ともちゃん」は、
「待ってよ
智恵蔵は、へそくりを貯めていて、100万、タンスにあるって言って、この間、遊びに行ったときに見せてくれた。だから、簡単に借りた50万は返せるはず」と言えるのです。(これを連帯保証人は「検索の抗弁権がない」といいます)ほかにも、保証人と連帯保証人では違いがありますが、この二つは大きい違いです。
連帯保証人は、債務者と一心同体のようなところがあります。
連帯保証になってしまった瞬間から、運命共同体とでもいいましょうか・・・。
さて、改正案の出ている民法では、この連帯保証人の制度が経営者などを除いて、廃止されるということです。
つづきます。
なお、「ともちゃん」も「のりちゃん」の実在する人物です。話はフィクションですけどね