叔母の引っ越しについて何かと頭をかかえることが多いこの頃です。
次に移るところの借家は、同じ大家さんです。
少しだけ住所も変わります。
今の住んでいる借家には、約40年前に引っ越してきたらしくその時の契約書はあります。
今の家賃のままで(かなり広くなります)、40年前に預けた保証金もそのまま引き継がれるそうな・・・。
しかし、「契約書」はどうするのか?と尋ねると
「そんなのは、そのままやろ?」と叔母は恐ろしいことを言います。
「保証人のところだけ、アンタになって欲しいから書き直して」
「あのねえ・・・物件も違うし、これは別の契約。新しい契約書を作ってもらえなかったら保証人の印は押さない」
こういうのは、行政書士だからとか言う前に「当たり前」と思っていたのでびっくりです。
うちの母親に電話で愚痴っても
「そりゃ、契約書は必要やわ。そんなの、大家さんが作ってくれないんだったら、前の契約書の住所と保証人を訂正印押して、書き直したらいいのに」
お母さん・・・、もうちょっとマトモかと思っていました
さて、物件も古く、少々、問題もあるので、いざとなったら契約書を私が作ろうと思い、叔父のところに行きました。
弁護士事務所です。
「それはお前の専門やろ」と言われそうですが、ちょっと身内の愚痴も兼ねて伺ったわけです。
叔父は「聴き取り記録」という用紙に、大家を甲、叔母を乙として図を書き始めました
で、のちの紛争を予防するために入れておくべき項目を書き始めました。
そして、私の「愚痴」の部分は、
「それは、アンタ、今のところを立ち退かない条件やないかい!合意解除できへんってことやろ」と、「愚痴を条件」に変えてしまいました。
「アンタの仕事やろ。出来たら、FAX入れてきたら、見てやるから」
多分、賃貸借契約だけで弁護士さんに相談したら一体、相談料をどれだけ取られるのかと・・・。まして、行政書士がそんなことで相談に行ったとしたら、バカにされるの間違いなし。
とかく行政書士である私は弁護士法72条違反を気にし、叔父はまた、弁護士法27条を気にしながらお互いに一定の距離をおく立場にあります。
でも、70歳を超えた叔父にあとどれくらい、実務のこんな些細なことまで教えてもらえる時間があるのかと思うと寂しかったりします
私と会ったそのあと、「これから裁判所に行く」という叔父に
「依頼者を守るあまりに、熱弁し過ぎて法定で倒れないでくださいよ」
と事務所をあとにしました。