万が一の航空機火災に遭遇したら…。 | 仙台はやての乗り鉄旅行ブログ

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1月2日17時47分頃、新千歳発羽田行の日本航空516便が羽田空港C滑走路に着陸時、海上保安庁のみずなぎ1号(機体記号:JA722A)と滑走路上で衝突、両機とも炎上するという事故が発生しました。

 

(事故と同型機であるA350)

 

日本航空516便はエアバスA350-900型機(機体記号:JA13XJ)と呼ばれる国内では最大級の機体で運行されており、乗員・乗客合わせて379人が搭乗していました。

脱出時に14人が負傷したものの、乗員全員が脱出に成功し、死者はいませんでした。

 

一方、みずなぎ1号には6人が搭乗しており5人が死亡、機長は脱出に成功したものの重篤と言われています。

元日に起きた令和6年能登半島地震の被災地へ支援物資を輸送するために運用される予定だということで非常に無念だったと思います。

 

亡くなられた方々にはご冥福をお祈りします。

お怪我をされた方々には1日も早い回復をお祈りしています。

 

 

私達は乗客として搭乗する方々ばかりだと思いますが、こういった万が一の場合、どういった行動を取るべきか過去の事例を元に2つほど話したいと思います。

 

 

1.絶対に手荷物を持たないこと

今回のような事故の場合、乗務員の指示に従って、機体から一刻も脱出し、離れなければならないのですが、その際に手荷物は絶対に持たないようにしてください。

 

2016年2月23日、新千歳発福岡行JAL3512便は右エンジンの火災によって、新千歳空港にて脱出スライドによる緊急脱出が行われたですが、当時の機内画像を御覧ください。

産経新聞より

 

なにか気付くことはないでしょうか?

 

よく見ると荷物を背負っている人や手荷物を持っている人が見受けられます。

また荷物棚が空いたままになっていることから荷物を取り出そうとした人が多数いたことが分かると思います。

 

この事故では乗務員が安全に対する指示を出していたのにも関わらず、従わない人が多くいたことが非常に問題となりました。

 

結局、荷物を持ち出した人は脱出スライドの前で乗務員が回収するという余計な作業が発生し、さらにはその荷物が機長や副操縦士が脱出する際に使う通路を塞ぐという事態へなってしまいました。

 

 

どの航空会社の安全ビデオやしおりでも荷物は持たないで脱出するように案内されています。

 

荷物を取り出すことは余計な時間が発生することはもちろんですが、通路を塞いでしまったり、脱出スライドを傷つけてしまったりする恐れがあります。

 

自分にとっては良くても他人に何らかの危害を与える恐れがありますし、自分の命に関わることなので絶対にやめましょう。

 

 

2.可能ならば脱出のお手伝いを

これも事例を紹介します。

2007年8月20日、台湾桃園発那覇行のチャイナエアライン120便が、那覇空港到着直後にエンジンから出火し爆発・炎上するという事故がありました。

事故機には乗員・乗客165人が乗っていましたが、火災が広がる前に全員が脱出したため、機体は全焼したものの死者や重傷者は発生しませんでした。

 

このときも脱出スライドが使われたのですが、負傷者が少なかった1つの要因として空港のスポット近くで炎上したことから空港職員がスライドを滑ってくる乗客をきちんと受け止めてくれたことがあります。

 

ところで、脱出スライドという単語を何回か使いましたが見たことはありますか?

 

 

実物は私も見たことは無いのですが、急な坂の滑り台と思った方が良いです。

 

間近で飛行機を見たことがありますが、かなり高い位置に客室があり、そこから勢いよく滑るので、着地時に脚や腰を怪我する人が多いようです。

飛行機は片側の脱出口のみで90秒以内に脱出できるように設計されているため、そもそも負傷者が発生することがある意味で覚悟の上で作られています。

 

そこで大切になるのは降りてきた人を受け止めたり立ち上がらせたりするといったお手伝いできる人です。

非常口座席に座ったことがある人なら分かるかと思いますが、緊急脱出の援助が出来る方があの座席に座れる条件になるので必ずCAの方に声を掛けられる訳です。

 

もちろん身の安全もありますし、勝手に行動するのではなく乗務員の方の指示に従うことが大切ですが、肉体的にも精神的にも余裕があればこういった方も必要になるということは覚えておいてほしいと思います。

 

 

昨年、日本航空の工場見学をした際、安全で快適な空の旅について勉強してきたのですが、これほどの大事故にも関わらず日航機には死者が出なかったことは日本航空の方々が日頃から緊急時の訓練を行い、万が一に備えてきた賜物だと思います。

乗務員の方々は本当に素晴らしい仕事が出来たのだと思います、お疲れ様でした。