JR九州 883系 ソニックに乗りました。 | 仙台はやての乗り鉄旅行ブログ

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  883系とは

JR九州の水戸岡シリーズ第2弾として、最高速度130km/hかつ制御付き振り子式を採用し、1995年から営業運転を開始したのが883系です。
 
登場から現在まで博多〜大分間の特急ソニックの専用車両として運用され、当初5両編成もありましたが、2008年に全車が7両編成になっています。
 
883系で運用されるソニックは青いソニック、もう一つの885系の方は白いソニックと呼ばれ、前者は7両、後者は6両のためどちらが運用に入るのかは分かりやすいです。

 

 

  外観

日豊線高速化のために投入された訳ですが、当時も今も注目されるのはデザインです。

見た目は昆虫やロボットにも見えますし、至る所にロゴがあるのはもちろん、連結器やワイパー根元のカバーは他では見られないような専用のものが使われていて芸が細かいです。
未だに近未来的な印象は変わりません。
 

当初は前面のみブルーメタリック塗装で側面はステンレス無塗装だったのですが、2005年にリニューアル工事が施され、全面インディゴブルーに塗り替わっています。

 

目立ちますが九州の人々にとっては当たり前のように見る特急のせいか特段目を引くことはないようで羨ましいです、九州民の方…。

 
登場年によって見た目が間違え探しのように若干異なっているので見比べてみると面白いです。
 
 
 

  普通車

第一印象は『ミッ○ーマウス?』でしょうか(笑)
座席は2+2配置、シートピッチは1,000mmとなっています。
 
動物の耳のようなヘッドレストは自動車の座席のように高さ調節が可能です。
この部分にはスピーカーを内蔵して、オーディオサービスを行う計画があったようですが、予算不足と音漏れから実現せず、そのまま残っています。
振り子式で揺れることが想定されているため包み込まれるようにクッションに丸みが付いていて、包まれ感というか安定感があります。
座席そのものは小型なのでヘッドレストを調節して着座するのが良いでしょう。
 
なんか昔に乗った頃に比べるとだいぶ違うような気がすると思って昔の写真見て、驚きました。
え、色々無くなり過ぎでは…。
 
主張の強かったフットレストバーが撤去され、遠い遠い背面テーブルをカバーする収納式テーブルも無くなってるー!!
バーは無くなってもいいけど、テーブルはこの車両においては重要装備でしたよ?
 
2018年の私は
『背面テーブルは背が低いせいか支える足の部分が短く、展開してもちょっと遠いですが、肘掛けに収納式のテーブルがあるのでそこまで不便には思いません。
前後に広く、振り子式なのである程度揺れることを考慮して作られているのかバーやグリップなどの配慮があって完成度は高いと思います』
と書いていましたが、過去のものになりました…。
 
編成中央にボックスシートがあった車両もあったのですが、それをリニューアルを期に一般席に変えたため、一部窓割が合わない区画が存在するので購入の際は下調べした方が懸命です。
座席表から購入する際は『窓無し区画』と案内されるので間違って買ってしまうことは無いと思います。

 

  1000番台の普通車

元々、5両だった編成は2008年に7両に増結され、885系に準じたものになっています。

見た目も885系に準じたため、前後の車両との統一感が欠けるという現象が発生しています。
 
2+2配置はもちろん同じですが、シートピッチが980mmとやや狭くなりましたが、窓枠下の出っ張りは無くなったのですっきりとした感じです。
885系の布シート版で主に自由席に割り当てられる座席ですが、こちらの方が快適だと思います。
色々な883系を見て回ったのですが、この車両が中々来てくれなくて、乗るのが大変でした。
 

 

  グリーン車

 

座席は1+2配置、シートピッチは1,150mmとなっています。

 

…もうお気づきでしょうか?

座席は普通席と全く同じなのです(苦笑)

黒い本革張りとフットレストが増設されることでグリーン車らしくなっていますが、座席そのものは同じという…どっかで聞いたことがある話です。

 

 

鉄道車両として本革張りを採用したのは実はこの883系が初めて、またリクライニングが電動になったのも初めてと初物が結構あるのですが、この列車は振り子式車両ということで滑りやすい革っていうのはどうなのかと言われると首を傾げてしまいますが、JR九州がチャレンジ精神に溢れていたことは評価するべきなのだと思います。
 
でも一つだけ最大の問題点を挙げるなら普通車でもテーブルが遠いと思いましたがシートピッチが広がったグリーン車では更に遠くなって、デザイン優先で使い勝手が完全に息をしていません、これは酷い…。
 
先頭車にあることからパノラマキャビンと呼ばれる専用の展望スペースが設置されています。
木製ベンチなので長居できるような場所ではありませんが、息抜きによいスペースです。
 

 

  まとめ、余談

(九州鉄道記念館より)

登場当時の883系はヘッドの部分が赤青緑、ブラックのモケットにタイル調のカーペットと派手な色使いからワンダーランドエクスプレスと呼ばれていました。

 
その昔、NHKで放送された最長片道切符の旅にて俳優の関口知宏さんがその883系に乗って『ここはテーマーパークか!?』とおっしゃっていたように鉄道を知らない人にとって斬新な車両でした。
その後、リニューアルによって、車内はカラフルからシックへやや地味になりましたが、床がフローリングになって、パネルは白一色とおしゃれなカフェのような雰囲気は良いリニューアルだと感じました。
 
そんな感想を持った2018年から5年、今乗ってみて思ったのはボロくなったという印象です。
 
各種装備は取り外され、フローリングは削られ、塗装は剥がれ、パーツは欠けるなど手入れが行き届いているとは思えませんでした。
 
写真には撮らなかったのですが、トイレの便座のヒンジの部分が壊れていて、蓋が取れるような状態になっていたのはかなり残念でした。
 
コロナから立ち直りつつあるものの経営に与える影響は大きかったとは思いますが、古い車両であっても手入れさえきちんと行っていれば、お客様は満足してもらえると思うので、観光列車ばかりではなく、一般車両ももう少し大事にしてくれると嬉しいです。