宮城県に1台だけの燃料電池バス。 | 仙台はやての乗り鉄旅行ブログ

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全国で少しずつ広がりつつある燃料電池バス、宮城でも宮城交通が3月24日から運行を開始しました。

 

富谷市や泉区を中心として運用されているのですが、どこの路線に充当されるのか公表されていて、仙台駅まで顔を見せることもあるので、ただ乗るためだけに行ってみました。

 

仙台駅のバスプールに入ってきた時、明らかに他のバスとは違うオーラを放っていました。

車両はトヨタ自動車製『SORA』、宮城県では初めて、東北では福島県いわき市を中心に運行している新常磐交通についで2例目となります。

水素タンクを天井に載せているため見た目のボリュームがあることや引き窓が無くスモークが貼られていてスッキリしているところが路線バスっぽくなくて格好良いと思います。

 

一般的な路線バスは軽油を燃料としてディーゼルエンジンを回すことで走らせています。

この『SORA』はタンクに充填された水素と大気中の酸素とを化学反応させて発電してモーターを回すことで走ります。

車内にはそのエネルギーフローの様子が表示されています。

 

エンジン音もせず、モーターの唸る音もほぼ無音なので、静粛性は圧倒的に上です。

 

ディーゼルエンジンは燃焼させることで二酸化炭素や窒素酸化物などの排気ガスを排出しますが、燃料電池は水だけしか排出しません。

乗っていると気付きにくいことですが、周りの車や歩行者はバスの周りにいてもススや臭いが気にならないと思います。

 

『SORA』は車内もなんだか近未来的です。

天井がスッキリしていて、照明が全てカバーに覆われている様子は新幹線の車内のように見えます。

座席は1つ1つ独立していて、取っ手と背面のプラスチックパーツが一体化しているというバスでは初めて見るデザインです。

 

中ドアは引き戸ではなく外側にせり出すプラグドアだったり、場所によってはコンセントがあったりと観光バスのような要素があって、ちょっと面白いです。

(なお、コンセントは電源が入っていなかったのか使えませんでした)

 

最近、バスに乗ると暑かろうと寒かろうと換気のために窓を開けているバスが多いですが、燃料電池バスとしては初めてエキゾースター(排気機構)を搭載しているので短時間ながら非常に快適でした。

 

このバスのナンバーですが、

 → 『4020』

 → 『シーオーツーゼロ』

 → 『CO2ゼロ』

という洒落を交えた語呂合わせのようです。

 

まだ1台しかないレアなバスなのでなかなか乗れないようにも見えますが、運用は公表されているので点検が無い限りは割と簡単に乗れます。

東京都交通局では大量に導入されているので首都圏では珍しいものではなくなりつつありますが、新しい物が好きな方はぜひ乗ってみると新しい感覚を味わえると思います。