この先誰も愛さないって・・・好きにならないって・・・そんな悲しい決心を・・・何があったんだよ・・・5年前に・・・何度も何度も死にたくなるような・・・そんな辛い過去が・・美夏さんの言葉がずっと僕の中を頭の中をぐるぐる回っていた。
美夏「果穂?目覚めた?」
美夏は果穂の顔を除き込む。果穂は黙って一点を見ていた。美夏に気付いた果穂は・・・
果穂「美夏・・・」
果穂は美夏をじーっと見て力なく言った。
美夏「ジェジュンさんの事好きになっちゃてどうしていいのか分からなくなっちゃた?」
果穂「私・・・何やってるのかな・・・自分で決めた事さえ・・・」
そんな果穂の消えてしまいそうな声を聞いて優しく背中をさする美夏が言った
美夏「果穂・・・もう良いんじゃないかな?・・・勇気を出して前に進んでみたらどうかな?」
果穂「・・・怖い」
美夏「大丈夫だよ。私もいるでしょ?大丈夫だから・・・リビングでジェジュンさんが心配して果穂の事待ってるよ。果穂が倒れてからジェジュンさんはずっと果穂から離れようとしなかったんだよ」
果穂「・・・私なんかが好きになる資格ないから・・・」
美夏「果穂の腕の傷を見てからジェジュンさんはすごい悩んだみたいだよ。今までみたいに同情じゃないと思うよ?自分の気持ちに気付いてるんでしょ?だからひどい言葉を言ってしまった事に後悔して誤ったんじゃないの?ねぇ~果穂・・・人を好きになるのになんの資格がいるの?」
果穂「彼は芸能人だから・・・眩しいくらい明るい場所が似合う人だから・・・私なんかが・・・」
美夏「だからって・・・このまま?その気持ちを胸にしまい込むの?それで果穂は辛くないの?今よりもっと辛くなるんじゃないの?」
果穂は黙って美夏の話を聞いていた。
美夏「ねぇ・・・果穂さっきから自分の事ばっかじゃん・・・ジェジュンさんが何を思ってるか・・・そんな事はどうでもいいの?」
果穂は無言で顔を横に振る。
美夏「人の何十倍何百倍も傷ついてきた果穂が・・・ジェジュンさんを傷つけるの?」
果穂はさっきよりも激しく顔を横にふり、睨むように美夏をみる。
美夏「ジェジュンさんが・・・果穂の過去をどう受け止めるのかは分からないけど・・・果穂の口から果穂の言葉で話さないといけない人なんじゃないの?・・・それに一人で生きるって決心したんだから・・・たとえダメだったとしても・・・結果一人じゃない・・・振られるのが怖い?」
果穂「・・・わからない・・・なんでこんなに怖いのか・・・」
美夏「果穂?想いは言葉にしないと伝わらないんだよ・・・一人で生きる勇気があるなら・・・気持ちを伝える勇気もあると思うけど?」
果穂「・・・」
美夏「果穂の言葉で果穂の素直に思った気持ちを言えばいいよ・・・今までの事も全部・・・」
果穂「・・・」
美夏「それにね・・・こういうのは勢いって言うか・・・考えれば考えるほど・・・日が過ぎれば過ぎるほど・・・言いづらくなるでしょ?・・・」
果穂「・・・・」
美夏「ジェジュンさんが待ってるから呼んでくるね・・・ちょっと待ってて・・・」
美夏は果穂の肩をポンポンと叩き寝室を出てジェジュンさんの待ってるリビングへ向かう。
パタンッ。
美夏がリビングに来た事にも気付かないくらいジェジュンは真剣な顔をして何かを考えていた・・・。
美夏「ジェジュンさん?大丈夫ですか?」
ジェ「・・・っ!?はいっ」
美夏「果穂が目覚ましましたよ。果穂の話聞いてあげてもらえますか?」
ジェ「・・・?」
美夏「もしかしたら・・・話す事が出来ないかもしれないけど・・・私に出来る事はもうないから・・・」
ジェ「・・・」
美夏「果穂の閉ざした心を動かすのは・・・私には無理だから・・・」
ジェ「僕に出来ますか?」
美夏「・・・私にも分からない・・・だけど・・・このままって訳には行かない・・・でも・・・やってみなきゃ何も無かったのと同じでしょ?」
ジェ「・・・そうですね・・・」
美夏さんが寝室で彼女と話してる間に僕は色んな事を考えた。何をどう考えても僕の答えはひとつだった。
僕は決心したんだ。必ず僕が守りたいっ・・・
だって僕には彼女の過去と向き合うよりも、彼女が僕の前から居なくなる事の方が辛いから・・・。
それぐらい彼女の事を好きになってしまったから・・・
美夏「私は帰りますね。果穂の事お願いします」
ジェ「あ~はい。気をつけて帰って下さいね。今日はありがとうございました。あっ僕明日昼から仕事なんですけど・・・果穂一人にしても大丈夫ですか?」
美夏「大丈夫だと思いますけど、ジェジュンさんが不安なら連絡下さい」
と言って美夏はジェジュンに名刺を渡した。
僕は美夏さんを玄関で見送り鍵をかけて彼女のいる寝室へゆっくりと向かった。
続く・・・