さてさて前回ビタミンAについて書きましたこちらの記事![]()
実はもう1つ大事な話があります・・・ね。
ビタミンAの取り方について、漠然とした不安を抱えてる人いるんじゃないですか?
そこのあなた・・・
妊娠中、ビタミンAの摂取についてはよーくよーく注意しないといけないと言われたことある人多いかと思います。
その理由は奇形児が生まれる可能性があるから・・・![]()
これはビタミンAが変換された最終形態である
レチノイン酸
が細胞の成長、分化、器官形成に重要な役割を果たすからです。
それゆえに「過剰摂取は催奇形性、つまり胎児の奇形を引き起こす可能性があるため、注意が必要」とか
「妊娠初期(妊娠3ヶ月頃まで)の過剰摂取は、胎児の目、耳、頭蓋、肺、心臓などに奇形を引き起こすリスクが高まる」とか怖い情報だけを
「食べ過ぎ注意」というざっくりしたアドバイスと共に渡されて、不安にさせられる事案が多い気がするんですよね![]()
じゃあ「食べ過ぎ」ってどれくらいー???
ネットで妊娠とビタミンAについて検索してみると「にんじんダメ」、「うなぎダメ」、挙げ句の果てには「なるべくビタミンAは摂らないようにしよう」という人までいて、正しい情報が手に入りにくい印象![]()
妊娠前まで体の大事な栄養素だったビタミンAが、妊娠した途端まるで毒かのようになる・・・そんなわけないのよ・・・
知らないまま怖がるのではなく、正しく知ってうまく付き合えばいいということを
今日は声を大にして言いたい
ビタミンAの体内での変換は
レチノール
レチナール
レチノイン酸
この順番で行われますが、レチノールとレチナールは変換し合って量を調整することができます。
体内のレチナールが多すぎる場合、レチノールに戻すことができるというわけ。
ですが、
レチノイン酸に変換されるともう戻れないので、体内にある量がとても重要。
皮膚科でレチノイン酸を肌荒れに処方する場合、妊娠の有無を確認されるのはそのためなんです
このビタミンAによる先天的異常の発生は、1953年の実験で発表されたのですが
当時はレチノール、レチナール、レチノイン酸の区別がまだできていませんでした
その後1995年、1万IU以上のビタミンA摂取で先天異常リスクが上がるという実験結果が発表されました。
このことにより、妊婦さんにビタミンAのサプリメントによる栄養介入は見送りましょうという結論が出ました。
ビタミンAのサプリメントも「レチノイン酸」が成分になっているものってないと思うんですけどね…
1万IU分のレチノイン酸を体内で得るには50万〜100万IUのビタミンA摂取が必要という極端な数値になります。
これは鳥レバーに換算すると1.5〜3kg
妊娠初期に毎日レバー食べる!とか極端なことをやらなければ、まず問題ないものだと思うんですよね。
必要以上に不安を煽られて、にんじん食べないようにするとか、夏のうなぎを我慢するとか・・・そんなことしなくていいよって伝えたい
未だに古い知識をアップデートしないまま、「ビタミンA摂りすぎると奇形児になるよ!」なんて妊婦さんを脅してる人がいないことを祈りつつ・・・
栄養の吸収や消耗の仕方は十人十色。
自分にとっての最適な栄養の摂り方が気になる方はぜひ一度ご相談ください



