今から5年以上前の話
その日は夜明け前から起きだして
今日という特別な日のためにおめかし
美容師さんも着付けの人も、もちろん母親もすごくハイテンション
まるで一つの芸術品かのように【私】を作り上げる
ようやく準備が終わると撮影会
前から後ろから、右から左から
プロのカメラマンになりきった母親の手は止まらない
後ろで父親が目を細めて微笑んでいる
嬉しいんだね・・・
私は一人娘だから
3年前にお兄ちゃんが【成人】しているけどスーツで味気なかったしね
両親の想いが痛いほど伝わってくる
『私は心から愛されている』
ココで一言気の利いたことでも言えばいいのに
何も出てこないどうしようもないバカ娘
言いたかったのに言えなかった!?
違う・・・
自分のことしか考えていなかったんだ
アノ頃の私はまだまだ甘えん坊で
親のすねをかじりまくり
そしてソレを当然の権利といわんばかりのふてぶてしい態度
他人を思いやれていることに自己満足し
一番身近な両親に対しては甘えることしかしない
無償の愛を与えられているにも関わらず
ソレを当然とし、むしろ親の義務だなんて自分勝手な思考
タバコだって酒だってとっくに経験しているし
卑猥な表現をしてしまえば、とっくに大人・女になっているけど
私はまだまだガキだったんだ
私がそのとき考えていたこと・・・
【成人式】ってのは地元開催だから当然参加者も地元民
つまり中学校の同級が来ているわけで・・・
私のところは結構大きな区のクセに一箇所開催だったから
人数オーバーでホールには全然入りきらない
つまりみんな外でタムロしているわけで・・・
『会う可能性は低い』
『みんなが集まっているところから離れていればいいんだ』
そう何日も前から心の中でつぶやき・・・
朝からそのことで頭はイッパイで、うっかり出会ってしまったときの対処法までシュミレーションしていた
もう卒業して5年も経っていたのに
心の闇は一向に晴れていなくて
あれから友達にも恵まれ自信も回復していたはずなのに
ふとしたときにアノ過去へ引き戻される
居場所のない【地元】
それが私の現実・・・
幸い中高一貫の学校に進学した私には
理由は違えど私と同じように【地元】に居場所のない友達がいて
高校の時から参加していた【地域活動】の仲間もいて
彼らと楽しい【成人式】を迎えることが出来た
・・・中学の同級には会わなくて済んだ・・・
【成人式】【成人】
社会の一員として責任をもち・大人の仲間入りということでのお祝いなんだけど
今思えば私の場合、周りのリアクションに相反して逆にガキっぽさが露呈したな・・・
私の【成人】はいつだったんだろう?
いや、本当にちゃんと【成人】したのかな?
少なくともアノ頃よりはちゃんと人を・周りを思いやれている(はず・・・)