レーガノミクスを紐解く | 秋山のブログ

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「戦後経済史は嘘ばかり」の第四章から。

 

『「レーガノミクスは反ケインズ政策」は大きなウソ』とか、『「ラッファー・カーブ」はデタラメの論理』、社会主義の問題点については、全くその通りである。説明も正しい。

金融の自由化に関しては、第三章で書いたことを繰り返し書いているが、何故自由化が必要だというきちんとした根拠の記述はない。

今回取り上げるのは次の部分である。

『レーガノミクスの金融政策に関しては、ミステリアスな面があります。(中略)この時代のインフレについては、私もすっきりとした説明はできません。』

ということなので、すっきり説明してみようと思う。

 

『レーガノミクスとは、一九七〇年代のアメリカの景気低迷・高失業率・高インフレ・低生産性という状況を変えるためのもの』で、『厳しい金融引き締めをおこなうことでインフレを抑制』『減税と財政支出(軍事費など)の拡大』をおこなったものだ。やっていることは、需要不足を解消するケインズ政策に他ならないというのはその通りである。

高橋氏の理論は貨幣の量で物価が決まるというものなので、答えが出るわけもないだろう。モノの価格は貨幣の量ではなくて、グルグル回る実際の経済行為によって決定される。貨幣の量は、大凡の相関であり、投影した指標に過ぎない。

金利を上げることは、その分の賃金を減少させることにより消費者の可処分所得を減らすことにより、物価を下げる方に働く一方、金利自体はコストとして価格を上げる要素にもなる。通常下がる作用の方が強く働くのは、モノの市場に比べて労働市場が脆弱であることや、消費者の可処分所得の減少が需要不足、失業増という連鎖を通してより大きく働くからである。

第三章にある供給力の減少がスタグフレーションの原因だという話は、レーガノミクスから考えてもおかしい。供給力が不足していれば、財政支出をして、社会にさらなる供給を強いることなどできるはずもないからだ。本来すべきスタグフレーションの説明は、独占などの市場の失敗を理由とすべきことだろう。この当時、起業家はそれぞれの業種において独占性を高めていたので、商品に関しては完全競争とは程遠い大きな利益を得ることが可能で、その一方失業が溢れていたので安く労働者も雇えていたということだろうと思われる。景気が悪いので飛ぶようには売れないが、独占性が高いので高くは売れるというのが、その時の状況だ。スムースには売れないことが、新たな競争相手の出現も抑制したということだとも考えられる。そう考えると、状況によっては、ケインズ政策はインフレも抑制しうるということにもなろう。

 

不況の原因はレント(大きすぎる配当や金利)である。一般的な労働者の賃金が、経済において循環していくのに対して、レントはそのかなりの部分が金庫にしまいこまれ、需要減に繋がる。本来インフレや課税によってレントから実体経済にお金を戻していかなくてはいけないのだが、レーガノミクスでは、金融引き締め、すなわち金利を上げることによってレントを増やしてしまった。しかし、それ以上に政府が借金をして、実体経済にお金を供給したので、経済は上手くいったという話である。

減税も、レントから取る部分を減らせばマイナスであるが、一般的な国民から取る税金を減らすのはプラスである。税金で集めたお金は、実体経済に戻る性質のものであるが、消費の速度において税金は好ましくない。

 

以上でレーガノミクスは理解できると思われる。レーガノミクスは、財政均衡など気にする必要はないことも教えてくれているだろう。