デザインすべきマーケット | 秋山のブログ

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某所での議論からちょっとした思いつきの小ネタ。いつものマクロ主体の話とは少し違う。

 

プロパガンダとプロパガンダのための数学の利用を主流派経済学がおこなっている(そのために格差が広がり不況が起こるなど現実に実害がある)一方、経済学の中には数学も正しく利用し実際に世の中の役に立っている分野がある。それはミクロ経済学の一分野、マーケットデザインである。このブログでもリンクしている安田洋佑氏の専門とするところである。

 

医療における大改革が2004年におこなわれた。医師の研修制度が変わったのである。卒後の研修が義務化され、研修病院としてエントリーした全国の病院に対してマッチングシステムによって割り振られることになったのである。事情を知らないと大した改革でないと思ってしまうかもしれないが、当時慣習によって裏付けられていた大学医局の人事権(法等の裏付けがないのにほとんどの医師が当時従っていた)を破壊するものであった。このシステム作りに安田氏も参加していた。

功も罪もある改革であったが、運用されているシステムは上手くいっているように見える(損した人間が批判するのは仕方ない)。経済学がその有用性を示した例だと私は考えている。

 

思いつきはここから。

世界中の生産物の価格に影響を与えている様々な市場は、巨大な資本家による搾取のシステムである。売買にかかる消費税のように国民の利益を吸い上げている。様々なプロパガンダによって多くの人々を騙し続け、問題であると指摘されることも少ない。また問題意識を持ったとしても、代わりにどのようなシステムを組むべきかという難題もあるだろう。

原油価格の話をネットで読んでいる際に、思いついたのが今回のマーケットデザインのことである。投機家を参入させ上前をはねられるコストを払う(しかもその結果は効率的でない)かわりに、当事者だけで適切な運用ができる仕組みを作ることができるのではないだろうか。一方、現在のシステムが適切でないデザインであることも証明できるかもしれない。この分野の専門家には是非挑戦してみてもらいたいものである。