デフレスパイラルとか合成の誤謬とかを見れば、個々の家計においては正しいことでも、全体としてみれば間違っていることはしばしばあることに気付くだろう。
無駄遣いせずに節約する。個人としては当り前のように正しい。しかし全体として考えるとそうでないことは、デフレスパイラル、合成の誤謬を理解すれば、誰でも用意に理解できるだろう。
事業仕分けで、無駄を無くすこと、支出を減らすことがやたらと強調されたけれど、まさに全体を見ない近視眼的発想である。個人の感覚を行政に持ち込んだとんでもない愚行である。
俵百俵とかも、本当に馬鹿馬鹿しい。
国の予算を考える時のpay as you go の原則。これが正しいと思えてしまうのは、国家と個人を同等視してしまったことによる誤りである。個人にとってお金は使えば無くなる資源のように見えるが、国全体としては誰がどれだけ使っても所有者が移動するだけの人々の活動を繋ぐための道具である。
あまり無茶なことをやって道具としての効果を下げるのは好ましくないが、あくまでも家計にとってのお金とは違うということを認識して考えなくてはいけない。
pay as you goの原則は、守れば万事上手くいく類のものでも、必ず厳守しなくてはいけないものでもない。