隣の垣根のはじっこに咲いていたカタバミの花。道で会う花は大抵立ち止まって見る私。
黄色いカタバミは多いけど、白はめずらしい。けっこう長いこと咲いていてくれる。そこを通るたびに“こんにちはー”というように立ちどまって見ていた。
ある日の夕方。そのカタバミの花がねむりかけているところに出会った。向こうは私のことなぞ見もしないで、ただねむたい様子で花を閉じかけていた。
あ、今ねむる時なんだ、かわいいなー。ねむってしまうまで見届けようとそーっとじーっと見ていたが、その後、ぴたりとねむってしまう様子はなくて、ずっとねむりかけの姿のままでいた。
あー、この子たち、私がいなくなったらすとんとねむるのだろうなと思って、そこを離れた。カタバミは夜の来る前に早々とねむって、きっと朝早く花を咲かせるのだろう。