野の花を探して | みつはしちかこオフィシャルブログ「小さな恋のダイアリー」Powered by Ameba

トイレの細長い棚に、一輪挿しの小さな小さな花瓶が3つ置いてある。
春、夏にはそこいらへんの狭い空き地が草むらとなり、色々雑草の花が咲く。その中から、花瓶に合うような花を連れてきて挿すのだ。

近くの廃校のフェンスに淡いピンクの昼顔がたくさん顔を出していた。
可愛いので2輪ほどつまんできてわが家のトイレに飾ったが、すぐしおれてしまった。タンポポやコスモスも、たちまちぐったりしてしまう。野の花は、そのまま野の中に咲かせておいた方が元気よく長持ちするのだろう。

夏、小さな公園の抜け道のところに、私の好きなカラスノエンドウが盛り上がるほど咲いていた。といっても沢山の葉の中に小さな小さな濃いピンクの花を咲かせているだけで、人は気づかないだろう。よおく見ると、チョウチョ型のそれは美しい花なのだ、と私は思っているけれど。

子どもの頃、空き地に腹ばいになって、なんて可愛らしい花だろう、と見とれていたっけ。
カラスノエンドウという名を知ったのは、大人になってからだった。


秋になると、ほとんど花が姿を消す。かろうじてコスモスが咲き残っているくらい。でもよく見ると、葉裏に赤い実などがすまして実っていたりする。
友人が赤や青の木の実と枯れたツルを組み合わせ、色とりどりの美しいタペストリーを作り、個展を開いたこともある。

秋は一年中で一番心地よい季節だと思うけど、なんだか一番早く過ぎてしまう季節のように思う。
だから、青空のきれいな日には思いきり深呼吸をして、自分の胸の中に気持ちのよい秋の空気を溜めておこうと思う。