はじめはこういうハガキ1枚からはじまったのであります。
私の「片思いから出発」。
どんな内容かは忘れてしまいましたが、とにかく「暑中お見舞い」のハガキを川に流す木の葉のようなつもりで、ポストに投函したのです。
もちろん、返事はありませんでしたけど(そのころ私のことなぞ眼中になかったのでしょう)、けれども私はメゲずに、一言ハガキを出し続けたのです。
好きとか気になるとかいう言葉は書きませんでした。
なにしろハガキですから、誰に見られてもいいという思いで、いさぎよく書きました。自分の近況とか季節のこととか、とにかく私のことを彼に知ってもらいたかったのでしょう。
そうして夏が過ぎ秋が過ぎ、季節は冬。お正月は堂々と年賀状が書けます。
――きっと筆不精そうな彼のこと、年賀状も期待できないだろうな。
と思っていたらナント元旦に、リスがギターを弾いているイラスト、それも色つき、その上おめでとうの傍らに「今年もよろしく」と。
内心「ヤッタ―!」と跳び上がりたい思いでした。そして、それから順調(?)に私の片思いは進行していったのです。
皆さん、片思いの人がいたら、手紙でもメールでもなく、ハガキを出してみましょー。それも一言ハガキ。それも面白いの。
きっと彼の方もたのしみに待つようになりますよ。
ただし、相手が少しでも嫌がっているふうだったら、つらいけどサッパリ引きましょ―。