黒澤映画は監督が良いのか、俳優が良いのかよくわからなくなる。 でも最終的には配役する監督なんだろうけど、今回の映画でお爺さんとして出てくる”左ぼくぜん”ほどハマリ役はないように思えた。 別の映画だけど舞台裏のエピソードも面白かった。 台本では泣くべきシーンを左は笑ったそう。 間違えている訳ではなくて本人がここは笑うべきと譲らない。 数回の取り直しにも監督の怒号も負けない。 最終的にはそのシーンはカットされたらしい。
そういう反骨精神なり気概のある俳優だからこそできる演技。
”お爺さん、良い人だねー。”
と言われて、
”とんでもねえ、いやーこれでも丸くなったんだよ、尖った石ころが川の流れに揉まれて丸くなるようにね”
もちろん台本に書いてあるセリフなんだけど、薄っぺらい俳優が語るのと違って説得力がある、心に響くんですよね。 映画は監督一人のものでもない、脚本、カメラそして俳優なりチームワーク。 取り仕切る監督の功績という言えばそれまでなんだけど、昔の映画ってみんなそれぞれが職人気質を持っていて丁寧に創っていたと思う。 車や電化製品みたいに時代が進化すればもっと良いものができる訳ではない。
そんな訳で最近古い邦画にハマっております。



