頭骨の標本、出来上がりました。
さっそく化石仲間に写真を送ったところ
「メンダコ可愛い」
「ヨーダの赤ちゃん?が気になる」(←『マンダロリアン』に出てくるグローグーだよ。)
「あ、パラロイドがある」(←ウニの標本及び化石の保護用)
皆さん、目の付けどころ間違っていますよ・・・。
この頭骨標本ですが、実は茹でている時に下顎が二つに分かれて切歯が全部落ちました。
ちなみに茹でている時はこんな状態でした。どうやっても角の間の頭頂部に火が通らない・・・。
で、鼻の先を下にして茹でていたら歯がグラグラしていました。
鹿さん、上あごには切歯は無いのがハッキリわかりますね。この後両方の犬歯と鼻先の骨が脱落。後ほど乾燥させてから速乾性木工用ボンドで接着しました。
下顎は臼歯は無事だったものの、右左が分かれて切歯が全部とれました。これも記録取っておいて後ほど接着。
あ~、あと茹でた際、歯の間の細かい皮とかブニブニした何かを取るのが面倒くさかったです。ひたすらピンセットと竹串の先でほじったりして掃除していました。気分は歯科衛生士。
乾燥後の骨は最初、アロンアルフアで接着しようかと思いました。が、骨に詳しい方に話を伺ったところ「速乾性の木工用ボンドが一番いいよ」と。理由は「やり直しがきくから」。なるほど。
下顎の骨は中央部分だけでくっ付いているので、接着する際に固定が必要でした。
上顎はこんな感じで完成。よし、これで下顎と合わせてみよう。
あ。歪んだ。
やり直しきくんだよな。でも、もう一回水に漬けて・・・面倒くさいなあ。横から眺めよう。
ちなみに脳みそ出してからは角の重みで頭骨が後ろに倒れるので支えが必要です。
これがお手本。北大総合博物館にある全身骨格です。ああ、こんなに綺麗に作れたらいいのに。
この鼻の中のグルグルした部分、薄い骨で肉も薄く絡まって付いているから面倒なんですよね~。いじっている内に結局鼻の中は壊れてしまって大分スッキリしてしまった・・・。
ところで、この鹿はまだ大人になりきっていない個体ですね。私は詳しくないので何歳なのかは分かりませんが。切歯でも切断して顕微鏡で見たら解るのでしょう。
この鹿がまだ成長しきっていないと思った理由。
1:角が枝分かれしていなかった。
ただ、怪我などの原因で変わる事もあるので角だけでは年齢の判断にはならないよと猟師さんに言われた
2:第三臼歯がまだ下顎の中に埋まっている
成体は歯が全部出ているはず。あと摩耗の程度とかで年齢の目安になるんだろうな
3:大腿骨や上腕骨などの骨の末端部分が茹でている内に分離した
骨って確か成長したら骨端も癒合して完全に骨化しますよね?人間がその筈だから哺乳類の鹿もそうですよね?ちょっと私は知識が半端なので違うと思った方は教えてください。
以前、山の中で拾ったエゾシカの上腕骨は完全に骨端が固まっていたからそうなのかな~と思ったんですが。
他の骨の話はまた今度。