やめろや。 | 酒と笑いとたまやたと与一

酒と笑いとたまやたと与一

だいたい二日酔いの日々とかわいい犬々の事。

ウチの犬部屋に置いているサンダルは
どんだけ揃えて置いていても、
スグにぐちゃぐちゃに踏みつけられ
遠方に弾き飛ばされひっくり返される。



before




after





3足もあれば、弾き飛ばされてても

無事な奴がいそうだが、

そうは問屋が卸さない。

ことごとく全員が弾き飛ばされる。



この写真はまだマシな方。

裏返されてる事も日常茶飯事だ。




特にシェパズは足元を気にするという

概念が欠落しているのか、
雨の日の水溜まりなんかも、

気にせんと突き進む。






弥太郎は足元を確認するから、

まず踏む事は無い。お淑やかなのよ。



そして遠方に弾き飛ばされたサンダルに

たどり着くまでは、もちろん裸足になる訳だが、悲惨なのは雨の日。



ドロドロに汚れた足で踏みつけられたら

履くのに躊躇するほど汚れる。



そもそも足が汚れないための履き物やと

いうのに余計に汚れる。



そう。先日もそうだった。

その日は豪雨で庭の溝が冠水するほど。





ご覧の通り庭の土もびちょ濡れ。




ここを、うろついた後の足で

サンダルを踏みつけてくる。

こっちはたまったもんじゃ無い。




そして、

その日家の中にいた私は

犬の世話の為に犬部屋に出ようと

入口で固まった。


いつも以上にとんでもなくドロドロの

サンダルを見たのだ。


流石にコレは履けない…

と思考停止しているときに

ふと目に止まったのが、

かなり遠方まで飛ばされたサンダルだった。



遠方まで飛ばされたが故に

踏まれることなく綺麗な状態だ。


コレは…使える。

と考えたが、



だがしかし、そこまで辿り付くには

どーしたら良いのか考えあぐねていた。



その時だった。



トイレを終えた与一が、

立ち飲み屋の暖簾をくぐるかのような

華麗なしぐさで

「女将さん、あいてる〜?」

と言って入ってきた。




そして、そのまま突き進んでいく…


ザッシザッシザッシザッシ。と

泥だらけの足で。




や…や、やめぇてぇぇぇ不安ピリピリ

と泣き叫ぶ私の声も虚しく、



遠くに弾き飛ばされた汚されていない

サンダルの底目掛けて最後の

一歩を踏み出した。





や〜め〜て〜ガーン


周囲に響き渡るであろう

私の絶叫をあざけ笑うかのように

禁断の一歩をサンダルに差し込んだ。




私は汚されていないサンダルを助けようと

なりふり構わず、ドロドロの床を

裸足で踏みしめてサンダルに向かって

駆け出した(←この時点で足の裏は

もう泥だらけなのだが。)


そして、やめてよームキーッムキーッムキーッ


と叫びながら与一を突き飛ばした。


が、そんな事では突き飛ばせ無い重量が

あるのだ。


与一はドヤ顔で動くハズも無く。


と言い放った。





かくして私はドロドロになった足で、

ドロドロのサンダルを履いたのだった。



「履く意味無いよな。。」

と、涙を目に貯め独りごちながら。。。笑い泣き



[完]