義母お勧めの映画「マリゴールドホテルで会いましょう
」。
登場人物は隠居したシニアたち。舞台はインド。
きいたことのない映画だったし、正直なところ、大きな期待をせずに観始めた。
がしかし、これが、面白かった。
それぞれの人生を過ごしてきたアメリカの7人のシニアたち。
でも誰もがまだ人生に完全にハッピーというわけでもない。
片や、親に反発しながら成功を夢見る、楽天家で元気なインド青年。
どちらかと言うと、どん底的な運命で、このインドのホテルに滞在することになった彼らの物語。
結末は前向きながら、どこか人生の切なさが漂う。
私が個人的に楽しめたのは、昔インドに旅行したことがあったからこそ想像できる「空気感」。
異文化を受け入れて楽しめる事は良いことだ。
だが、どうしても生まれ育った環境や文化の違いに閉口することも起こる。
どうしてもダメな食べ物。どうも耳障りに思える言語。
インドで新たな生き方を見つけていくシニアたちの中で、一人馴染めずにいる女性がネガティブに描かれるが、彼女の気持ちも理解できる。
見終わった後、パワフルなエネルギーを得られるというより、静かなエネルギー、もしくは人生の喜怒哀楽は単独ではなく、幸せななかにもほろ苦さ、辛いなかにも希望がいつも同居しているのかもしれないと思わせられ,、ビタースイート。
「男女7人夏物語
」ならぬ、「男女7人隠居物語」。
面白くも切ない、インドでの老後物語。