ロチェスター市にある、ロチェスター大学の音楽校、イーストマン音楽校 は、ジュリアード に次ぐ、全米トップクラスの音楽校。
そんな由緒正しき学校で1週間、朝から晩までサクソフォン漬けの「集中サックス夏期講習」に参加する息子。
数ヶ月前に願書が通って以来ずっと、ヨーロッパ旅行よりも心待ちにしていたその日がやってきた。
と言うわけで、息子をイーストマンまで送り届ける。

(イーストマンのメインビル。このの路上で、映画「スパイダーマン2」が一部撮影された。)
生徒たちは学生寮に宿泊するので、まずは寮のチェックイン。

個室の鍵と、シーツやタオルを受け取る。

領内のカフェテラスかラウンジかでは、学生グループが談笑していたりする。

案内係の学生と共にそんな廊下を通り抜け、部屋に到着。

ベッドとデスクがあるだけの3畳ほどの個室。
1週間の期間限定であり、毎日朝7時から夜9時までレッスンやら講義やらが詰まっているので、部屋にいるのは寝るだけだろうし、プライバシーがあり良い部屋じゃない~と思ったのは私。
息子は、今までにラクロス遠征 やラテン大会 などで宿泊してきた他の大学寮の中で「最低」とガッカリ。
(まあ、言われてみれば、決してゴージャスではないのは確か)
息子のフロアは、全国から集まった高校生の受講生が5人ほど。
大学生の参加者は、別フロアに分けられているらしい。
寮にチェックインを済ませた後は、教授陣の紹介を兼ねたコンサート。

教授陣のすばらしい演奏に、これから始まる授業への期待と共に、不安も隠せないように見える息子。

付き添いの親はここまで。
1週間、得られるものをできるだけ得て来いよ~と検討を祈り、イーストマンを去った。
・・・というと、意気揚々に憧れの大学での受講が始まったようだが、これが実はバタバタ。
チェックインの時間まで、近くのコーヒー屋でランチしていたときのこと。
「何かおかしい」と言い出した息子、前歯が部分的に欠けているのに気づいて、欠けた部分を引き抜いた。
その瞬間、歯の中の神経が露出したらしく、傷みが。
大学の受付に駆け込み、緊急処置してくれる歯科を探してもらったが、あいにく土曜日。
歯科は見つからず、更にそんなこんなで教授コンサートにも遅刻。
今日の歯科受診はあきらめ、息子と別れたあとドラッグストアを探し、とりあえず痛み止めを買って寮の受付に届けるくらいしかなかった。
なんでこんな時に・・・
と、そんなバタバタ劇で思い出した。
私もあった、そんなこと。
もう20年ほど前の話。
東京で抜歯したあと、新潟の村上トライアスロンに出かけた。
大会前日の土曜日、抜歯後の縫合がほどけてきた。
これがものすごく気になる。
ただでさえ海でのスイムは緊張なのに、口の中に違和感があるのではパニックになりそう。
困っている私に、一緒に出かけた仲間たちが、電話を掛けまくって歯科を探してくれ(土曜日なうえ、地域の歯科学会に出向いていて留守ばかりという最悪の状況)、車を出して運転してくれ、付き添ってくれ・・・本当に助けられた。
息子の突然の歯科緊急事態に、そんなありがたかった友人たちのことを思い出した。
いまさらだけど、再度言おう。
ありがとう。あの時、本当、ありがたかった。
それにしても、楽しかったなあ、あの村上トライアスロン。