
私の夢の一つが「息子とニューヨークシティ・マラソンを走る」だ。
私が初マラソンを走ったのはニューヨーク。
数々の大会を走ってきたなかで、ニューヨークシティ・マラソンは私にとって特別な大会。
そのニューヨークを、いつか息子と一緒に走れたら良いなあと思っている。
一緒に走るといっても、並んで走るというのではない。
ただ、同じコースを同じ時に走れれば、別々に走って、別々にゴールするのでいい。
そんな夢が、ほぼ叶いそうになった。
「ほぼ」なのは、舞台がニューヨークではなく、オースティン。
息子の友達の、クロス・カントリー部のA君。
活動時間がとれないので陸上を中学までであきらめた息子の記録は、A君の記録より上だった。
そのA君が、高校クロカン新人戦でそこそこの成績を出したらしい。
「僕が走っていれば上位に入れたのかなあ~」と、ちょっと悔しげだった息子。
そのA君がハーフ・マラソンを走るという。
実力を見てみたい息子、「僕も走る」と決めた。
A君とのハーフ・マラソン21.1kmの対決。
タナボタなのは、私。
その大会、私はすでにずっと前にエントリーを済ませてある。
「かあさん、一緒に走ろう」と言われたわけではないけれど、理由や目的はどうあれ、同じ大会を息子と一緒に走ることが出来るわけだ。
こりゃ、気が変わらないうちに・・・と、早速息子のエントリー手続きを済ませた。
息子も興奮気味に、コースの特徴や完走のヒントを聞いてくる。
ふふふ、やっぱり嬉しい。
そして翌日、帰宅した息子が言った。
「A君が走るハーフマラソン、別の大会だった。」
えっ?
「だから・・・なんというか・・・A君と同じ大会を走らなきゃ意味ないし・・・」
あ・・・そうですか・・・。
意味をなくした今、多分、息子はエントリー済みとはいえ、私と同じ大会は走る気はない。
14才の未経験者がモチベーションなしに走るには、21.1kmは長い。
夢が叶うと思った私は、ぬか喜びに終わったと言っていいだろう。
まあ、いいや。
まだ先にチャンスはあるだろう。
本日のピンズは、97年のニューヨーク・シティ・マラソンの記念ピン。
BGM「La Famillia」by松本潤
♪独りで走るトップランナーが 横に並んで走る道