
今年の8月から高校に通う息子の、授業選択が始まった。
息子たち8年生は、今日学校で高校の4年間でどの授業をとるかのプランを立てる説明を受けた。
そして、夜には保護者向けの説明会。
全体像として、1日7時間(8時間のうち1時間はランチタイム)の授業が4年間。
その7×4の28コマで、卒業に必須の単位が26。
単純に見ると、2コマ分余裕があるくらいに見えるが、実は足りない。
例えば息子の場合、希望はバンドとアスレティック(陸上)を4年間取りたい。
がしかし、バンドで取れる「ファイン・アート」の必須単位は1、アスレティック(PE)も1。
つまり、どちらも1年間で単位は取れてしまい、残りの3年分は授業を取っても単位にはならない。
余計な授業で授業枠を取ってしまうと、必須の枠が足りなかったり、他の取りたい授業が取れなくなる。
もともと陸上かラクロスかを迷っていた息子、この授業数枠の兼ね合いで陸上をあきらめることにした。
ラクロスを取ると、活動は授業外なので、授業枠を使わずに体育単位が取れるのだ。
それでも授業枠が足りない、もっと多くの授業が取りたい(選べる授業が何と250も用意されている)場合は、サマースクールでの単位取得も可能。
このサマースクール、夏休みの3週間で授業に出て課題をこなし最終試験に合格すれば、1期分の単位が取れるという。(ただし、すべての科目が用意されているわけではない)
しかも、息子が5月に中学校を卒業した時点で、すでに高校生という身分になり、9年生が実際に始まる前の、今年の夏休みから参加可能。
10年生が終わった時点では、地元のコミカレで大学の授業を取ることで、大学と高校の両方の単位を取得できるというオプションもある。
バンドを4年間とるなどで、授業枠が足りない分は、こうして夏休みに登校したり、コミカレで授業を取ったりなどで学校外の時間を活用することになる。
息子、やっぱりバンドは取りたいし、数学や理科なども必須単位以上の授業を取りたいし、他にも取りたい選択科目がある。
というわけで、すでにこの夏休みには少なくともひとつは夏休み授業を取る予定でいる。
授業だけではない。
アメリカの大学受験では、学業のほかの活動も重視される。
「リーダーシップ」「地域ボランティア」「スポーツ」「課外活動」・・・
「ボーイスカウトでイーグルスカウトに達し、リーダーを経験してきた。」「野球部で主将を務めた」「ロボコンで州大会に進出した」「夏休みに自転車で大陸横断旅行を計画し成し遂げた」などなど・・・、生徒の計画力、リーダー力、行動力などを示せる活動を内申書に書き込む。
人間性が重視されるので、テスト成績が良い学力優秀だけでは充分ではないのだ。
その中の「地域サービス」の一環で、高校でもボランティア活動を奨励している。
高校の4年間で合計70時間以上のボランティアを行った生徒たちには「ボランティア・HONORコード」というものが授与され、卒業式でこのコードをガウンの上に着用できる。

(イメージ図。首にかけられている色とりどりのものが「HONORコード」。)
これも、中学を卒業した時点からカウント開始。
説明を聞いた息子、今年の夏休みからボランティア活動もいっぱいやりたいと、70時間をクリアする予定で張り切っている。
なるほど・・・
高校生になると忙しい忙しいとは聞いていたが、納得。
既に今年の夏休みから、高校の単位や活動が、大学受験の内申書に書き込める事も念頭において始まってくる。
日本と違い、公立校を選べば高校受験はないので、高校に入学する時点ではアメリカの方が断然楽。
しかし、入学したあと、毎日の宿題などが内申の点数に響くので1日も気が抜けない。
授業も、内容が進んだAPクラスなどが用意されて、そういったクラスを取らないと希望の大学への道が狭くなったりする。
例えば、地元で最も大きなテキサス大学。
ここに進学希望なら、学年の上位10%に入っていなければ無理。
今年から大学生になったご近所の子も「9年生の前期に1個だけAPクラスをとらなかった。それを取っていればアイビー校に入れていたと12年生で気が付いて後悔した。」と息子にアドバイスをくれた。
9年生、いや、8年生を終えた時点で、大学入試への長い道が始まる。
まあ、日本でのそうだと言えばそうだけど、授業の成績だけでなく、平行して課外活動でも実績を積んでいかねばならないという部分、勉強以外にも時間を費やさなくてはいけないというのが、考えただけで目が回りそうだわ。
そんな本日のピンズは、スタンフォード大学のピン。
以前、カリフォルニアでスタンフォード大学の近くに住んでいたので、引越しして去る際に記念に買ったもの。
数年前、息子が「スタンフォードに入れたら、大学の近くに家買ってくれる?」と訪ねた。
この大学の周辺は、小さな家でも億単位という、住宅が異様に高い地域。
だけれども「いいよ、家買ってあげる」と答えた。
息子がスタンフォードに合格する確立は、ないに等しいと言っていいもんね。
BGM「ザ・ルーズ」B'z
♪OH YEAH 頭が痛い あの単位も足りない
♪将来のビジョンはイン・ザ・ダーク