
昔、ローリング・ストーンズが歌っていた。
♪What a drag it is getting old・・・
年を取るのは、どう転んでもやっぱり、ありがたいことではない。
がんばってみたところで、視力だったり、体力だったり、集中力だったり、美貌だったり・・なにかしら「衰え」を感じずにいるのは無理になってくる。
年は取ったけどがんばりましょう~的な、中年層を励ます曲は、昨今少なくない。
同じような年代のアーチストが歌うそういった曲は、共感を覚える。
例えば、年を取ることを、古くなったデニムは色があせて穴があいても、それでこそ出てくる味わいがあるのだと例えて歌う歌。
その歌を聴いた時、「そうだ、そうだ~!まだまだ味わいが増していくのだ~!」と感銘し、CDも購入した。
だが、聴き続けるうちにどこか「でもなあ」と思い始めた。
その曲を歌う彼女は、年など感じさせない、とっても美しい方で、才能もあるトップ・アーチスト。
もともと美しさも持ち合わせが無い上に年を取っていく私とは、「増してゆく味わい」を同じ土俵で考えられない。
古くなって色あせたデニムは、やっぱり「色あせて」いるのだ。
色あせちゃったから捨てちゃえ、と思う人がいてもおかしくないのだ。
つまり、応援歌に思える歌が、裏返って、「色あせているわけよねえ~」と確認させられるような気分になってきた。
そんな私が、何気に耳にして「あはは・・そうだ~!」と元気にさせられた曲がある。
それは、アラフィーの「20世紀少女」 。

「20世紀少年」をもじったお笑い系?それに「アラフィー」って、やっぱりおちゃらけたウケ狙いの企画物?
と想像しつつ、聴き始める。
ちょっと懐かしい70年代ポップロックを彷彿とさせるイントロのあと、おちゃらけどころか丁寧に歌われる歌は、「ああ、あったね~!」なキーワードが次々と出てくる。
「木造校舎」なんて聴いただけで、私が通った小学校の、油引きの木造の床の匂いまで蘇る。
で、最後まで「がんばろう~」とか「まだまだ行ける~」とか言っているわけではないのに、聴き終わったあと、「私たち楽しい時代をすごしてきた」事を確認し、そうやってきて今があって、これからも!と、なぜか元気がわいてくるのだった。
淡々と「私らこうして育ってきました」と並べられるキーワードの、その先に広がるのは、聴き手である私の人生。
で、自分の人生、なかなかなものだし、今も元気なのよ、というのを再認識させられるのでしょうか。
「昭和の20世紀」と歌いながら、「今元気」という歌なのだ。
・・・なんて、そんなことをダラダラ考えないで、聴いて歌ってみるに限る。
「20世紀少女」アラフィー 、昭和を過ごした方たちにお勧め の1曲。
さて、このCD、宇部市(山口)の高校を卒業し、32年ぶりの同窓会で再会した8人の「20世紀少女」な方々が、意気投合の盛り上がりで、作り上げた作品なのだそうだ。
聴いていて元気になれるのは、曲の奥に、そんなパワーがこもっているのを感じてしまうからかも知れない。
本日のTシャツは、夫が高校生の頃に愛用してたと思しき、よれよれになった「アスレティック・アティック」というスポーツ店のロゴTシャツ。
夫、今週、高校卒業30周年の同窓会へ出かける。
こんなTシャツを着て過ごしていた頃の旧友たちとの、30年ぶりの再会。
同窓会への旅立ちについては、明日の話題に続く。