
「今日、オースティンのランニング史上で、多分、もっとも重要なイベントがある。」
そう歌われている「重要なイベント」とは、
市の公聴会 。
オースティンは大きな街ではない。
その中心部といえば、銀座で歩行者天国が行われていた区域よりも小さいかも。
そんな小さい街ながら、その中心部では年に何度かランニングやトライアスロンの大会が開催される。
それで起こるのが、交通規制。道路の閉鎖を余儀なくされる地域の住人には怒りのタネになる。
今回、市はこういった大会開催と交通規制に関する、より厳しい規制条約を通過提案している 。
それで、今日はその「PUBRIC HEARING」、つまり市民が参加できる公聴会の第1回が開催されるのだ。
この流れ、なんだか皮肉というか・・
かつて、日本の首都圏で開催されるフルマラソンの大会は、大抵制限時間は5時間。
その最大の理由が「交通規制をそれ以上の長時間するのは無理」だった。
特に、東京の中心部でフルマラソンを開催するのには、交通規制がネックになっていた。
それゆえ、マラソンは走ってみたいがガンガン走れるわけでもないジョガーは、制限時間が長く歩いてもゴール可能なホノルルマラソンに流出。
ホノルルマラソンの3万参加のうち2万人は日本人というような現象が起こっていた。
それを、石原知事が、ニューヨーク・シティ・マラソンなどの運営を視察し、東京でも7時間という長い制限時間のマラソン大会を開催するに至った。
首都圏のランナーがずっと待ち望んでいた「時間のゆるやかなフルマラソン大会を東京の中心で開催する」が実現したのだ。
それが、ここオースティンでは、逆の流れになるかもしれないのだ。
オースティンでは、街の中心部であれ、多くの住人の移動手段が「車」なのが問題となる。
交通規制で道路が閉鎖されると、その地区の住人たちにはえらい迷惑な事態となる。

マラソンの開催などは日曜なので、バイブルベルト にあたるオーステインでは多くの住人が日曜礼拝へと出かけるのだが、「教会にたどりつけない!」などが起こってしまうのだ。
という訳で、市は規制を強化して街の中心部でのランニング等のイベント開催を減らしたい意向。

それに対して、ランニング・トライアスロンのコミュニティーは「大会開催での街への経済効果」「大会による慈善団体への寄付活動の大きさ」そして何より「FIT CITY」を謳っているオースティンの住人の健康への効果、を訴えて規制強化を和らげたい意向。
という訳で、各大会のディレクターが中心となったグループが意見陳述をするのだが、そのサポーターとして、ランナー、トライアスリートなどへ公聴会への参加を呼びかけている。
希望すれば意見を述べることも可能だが、サポーターの役割は、オースティンの住人たちがいかに大会で利点を見出しているかの「数」を見せ付ける事。「ほら、市の提案にこんなに反対住人もいるんですよ」と圧倒させるのが目的。(第1回の今日は、住民が参加できる投票は行われないはずなので)

(↑パブリック・ヒアリングのイメージ図の一例。グループ代表は「野次を飛ばしたりせず、静かにそこにいるだけで紳士的にアピールしましょう」としているので、この例のようなプラカードは今回は登場しないと思われる)
そういう訳で、大会開催支援側のグループの代表らは、ランナーたちに「オーステインのランニング史上最も重要なこのイベントに是非参加を」と呼びかけているわけだが、その参加の際には「マラソンやトライアスロンの大会Tシャツを着用してきてください。」としている。
ほらね、Tシャツって、主張するでしょ。
「私は大会参加できて嬉しいです」って、言葉を発しなくても、大会デザインのTシャツを着て参加しているだけで目に見えちゃうわけよ。
Tシャツは着る人のアイデンティティも表現するのだ。
がんばれ、大会Tシャツ!主張しろ~。
本日のTシャツは、05年「フリースケール・マラソン」(現オースティン・マラソン)のSTAFFシャツ。