
図書館で、借りるDVDを厳選している程の時間がなかったので、目に付いた映画を借りてきた。
先月他界されたチャールトン・ヘストン主演の、1959年の大作「ベン・ハー 」。
この映画はずいぶん昔、小学校6年生だった頃ではないかと思うが、TVで放送されたものを父と観た。
ストーリーは全く理解していなかったが、スペクタクルなシーンがいくつかは強く記憶に残っっていた。
一つは、ベン・ハーが他の多くの囚人達と船を漕ぐシーン。
船頭の刻むリズムに合われて皆が艪を漕ぐのだが、ベン・ハーの事が気になる将軍(?)が試しにどんどんスピードを上げさせる。
刻まれるリズムと合わせて動く体、そして見ているだけで苦しくなる過酷な肉体労働、という場面。
もう一つは、馬車でのレース・シーン。
スタジアムで、まず馬が整列して周回する時の壮大な美しさ。
そしてレース開始とともに、激しいぶつかり合いが展開される白熱感。
最後は、ベン・ハーの家族が不治の病で隔離されている場面。
今回借りてきたDVDをじっくり観る時間もなかったので、この記憶の場面だけを観ることにした。
早送りして目的の場面をみつけたら再生。
ああ、こんな場面だったなあ~と、けっこう覚えていた。
そうやって観ていて、感じたこと。
「昔の映画のテンポって、遅い~!」
映画を1倍速で観ると、人の動きがちょうどいい速さに思える。
今の人々の動きの標準と感じられる速度より、映画の中の人々の動きがゆっくりなのだ。
「ドッグ・イヤー」な現代だもんねえ。
人々の動きも速くなったのかなあ。
本日のTシャツは、92年にロサンゼルス・マラソンを走った際に、会場で購入した「ロサンゼルス・マラソン」Tシャツ。
なぜ「ベン・ハー」で、このTシャツなのか・・・
それは、映画のスペクタクルな見所の一つ、ベン・ハーが、自分を「はめた」憎きメッサーラと対決する「馬車レース」のシーン。
このレースでベン・ハーが勝ったところで、一緒に観ていた息子が尋ねた。
「勝って何が貰えるの?」
いや。。。何がもらえるかではなく、憎いライバルを倒しただけで充分な事であるのよ、このレースは。
と「わかっちゃいないねえ」と思ったところに、レースの勝者ベン・ハーの頭に「月桂冠の冠」が載せられた。
「ほら、あれが贈られるのよ。勝利の月桂冠。」
息子、理解できないような、納得できないような様子。
というわけで、下圭樹の描かれたこのTシャツにつながる、という次第。
「ベン・ハー」。アカデミー賞を11部門も獲得した超大作だけある、映画だなあ~。
記憶に残る場面を確認しながら、TVで観た昔の、当時の家の様子や映画を解説する父の姿が脳裏に蘇る。