
昨日、バリの「ケチャ」や「バロン」を鑑賞した事があると書いたが、私がこのバリのケチャを知ったきっかけは「ワハハ本舗 」だった。
ある日なにげにTVを見ていたら、ワハハ本舗がバリのケチャを真似たパフォーマンスをしていた。それを見て、なんだか知らないが妙にパワフルで惹かれるものがあり、忘れられなくなってしまった。
そうやってひょんなことで出会ったバリ芸能だが、ガムラン やケチャ の独特なトランス感覚には大変興味をそそられた。
ガムラン やケチ ャなどは、宗教がからむいわば厳かな音楽やダンスで、観光客も多く鑑賞におとづれる高尚な物であるのに対して、一般にはあまり知られていないであろうインドネシア音楽がある。
それは「ダンドゥット 」。
インドネシアでも「下層の大衆音楽」としてご法度、危険視されていたという、マレー系ムラユー音楽がインドやアラブ音楽、ロック、など様々な音楽と混ざり合って発展してきたダンス・ミュージック。
私がこの「ダンドゥット」とであったのは、90年代初頭に久保田麻琴さん がWAVE レコードとの企画でシリーズで日本発売されたCD達からであった。

ある日、偶然手にしたCD、エルフィ・スカエシ の「DIVAの復活」。
このCDを聴いて衝撃を受けた。どこか日本の昭和歌謡的な雰囲気も感じるインドネシアの大衆音楽。そのダンドゥットの「女王」と言われるエルフィ・スカエシを久保田麻琴がプロデュースした盤で、ザ・ピーナッツの「恋のフーガ」 やマドンナの「ラ・イスラ・ボニータ」 などがダンドゥットでカバーされている。
これらのカバーもものすごくハマっている。オリジナルとは違う魅力がある出来。
聴いていると、心が潤ってくるような心地良さ。
特に夏に聞くのがピッタリな一枚で、かなり気に入り、聴き込んだ。
エルフィ・スカエシが良かったので、他のダンドゥットCDも聴いてみたのが、チャンプルDKIとデッティ・クーニャ。
チャンプルDKI (←この曲もカバーバージョン。何だかわかりますか?)は、エルフィよりファンキーなダンス音楽に仕上がっている。エルフィに比べてちょっと暑苦しい印象が無くも無い。
デティ・クーニャ はちょっと雰囲気が違う。より日本の歌謡曲っぽい感じかな。
とにかく、久保田麻琴さんの紹介でこのインドネシアのダンドゥットと(特にエルフィ・スカエシ)出会えた事は嬉しかった。
本日のTシャツは、エルフィ・スカエシ、チャンプルDKI、デティ・クーニャの名前も入った、WAVEレコードのアジア・ミュージシャンTシャツ。
これらのCDを何枚か購入した際の特典で手に入れたのだったと思う。
このようにインドネシアの音楽は、高尚なのも大衆なのもどこか気になる音楽なのである。
オースティンの電気店のCD売り場を見ていて衝動買いしてしまったのはこの2枚。

70年代にインドネシア現地で録音されたガムランとケチャのLPがCD化されたもの。
衝動買いした原因の一つがジャケット写真。
右の雨の中を鵜飼(?)の人が鳥の群れを誘導しながら歩く写真は、なぜか眺めていると懐かしい気分になる。雨の静けさが、まるでそこにいるかのように感じられるのだ。(これに似た図のTシャツも持っているので、近々登場)
写真に引かれて買ったCDだが、オリジナルの72年に発売されたLPのジャケットは、いかにも70’sなサイケ調イラストだったようだ。トランスなリズムが「サイケ」的ととられたからかな。
とにかく、インドネシアの音楽 は、面白い。
そして、そんな音楽たちと出会うきっかけとなったワハハ本舗と、きっかけを作ってくださった久保田麻琴さん に感謝したいと思う。
♪ジャガン カウ ぺルギ ジャガン カウ ぺルギ
♪ジャガン ティガルカン ディリク~
(「恋のフーガ」インドネシア版歌詞)
追記:
*TVで見たのは「ワハハ本舗」だったと記憶していて、調べると谷啓さんの「ガチョーン」と組み合わせたギャグでケチャを扱っているようです。
そして、芸能山城組が定期的にケチャを公演 しているようです。