
来週は感謝祭(サンクスギビング)。
この日には、ターキーなどのサンクスギビング・ディナーを食べるのがメインのイベント。
ホームレスなど、感謝祭のディナーが用意できない人々のためには福祉団体がディナーを振舞ったりもする。そのための寄付のお願いなどが周って来る。
米国はキャリティや寄付の行為が日本より盛んに行われていると思う。数多くの団体が、様々な目的でチャリティーの寄付を受け付けている。
そういう寄付もネット時代、新しいマーケティングを使った面白いものが増えてきた。
一つはKIVA。
これは貧困国で事業のために資金を借りたい人に直接お金を「貸せる」チャリティー。
KIVA.ORGのサイトに行くと、写真入りで、どこの誰がどんな仕事のためにお金を必要としているのかのリストが見られる。例えば「ニカラグアで裁縫業を営む**さん、裁縫をする生地や糸などのため800ドルを8ヶ月借りたい」など。
お金を出す方は単に貧困国の人が自立できる仕事のために寄付するというだけでない。自分でお金の行き先を「この人に」と決められる。更に、このサイトの特徴は寄付ではなく「貸付」の形をとっているところ。
借りた人が資金を元に仕事が軌道に乗れば、借りたお金を返すのだ。仕事が軌道に乗らなければ返金はないが、サイトでは誰がどの程度返却を行っているかなども見ることができる。
お金が誰に渡るのか、自分で選び「投資」し、成功を見守る事ができるのだ。また、どういう基準で貸し先を選ぶか、出したお金が戻るか戻らないか、投資の面白さもある。
更にお金を貸した側も写真つきアカウントなどがつくれるので、プロフィールやコメントを見てみたり、サイト上で「あら、この人貸し先が私とよくダブルわ」などと気になったり、ちょっとしたソーシャル・コミュニティにもなっている。
もうひとつはOLPC。
こちらは開発途上の地域の子供たちに、ひとり一台ラップトップ・コンピュータを持たせてあげようというもの。
100ドルラップトップと呼ばれる、このために特別に作られた「XO」というラップトップを子供たちに寄付し、インターネット、ワイアレスコミュニケーションを使わせたり、内蔵された電子辞書、電子ブックなどで教育の向上を狙うのだ。
この「XO」、開発途上の地域で子供たちが使うのにあわせ、完全防水、落下などに強い構造、手巻き式充電池(この機能は現在では外されたようだが)など、独特のものになっている。

このOLPCが、11月26日まで期間限定でこの「XO」ラップトップを販売している。
ただし、この「100ドルラップトップ」は100ドルでは購入できない。XOの一般購入は「399ドルで1台はあなたの手元に、そして1台を開発途上地域の子供にプレゼント」という形をとっているからだ。
この方法も面白い。
ただ寄付をするというのでなく、「他にはない面白PCの限定購入ができ、なおかつ子供たちを助ける寄付をする」という形は、ただ興味でラップトップを買うというだけでなく「チャリティにお金を出す」という言い訳もでき、触手が動く人もいるのではないかと思う。
実際、私はこの「BUY ONE GIVE ONE」キャンペーンでXOラップトップに興味を持ち、このチャリティの存在を知ったのだ。
このPC、LINUXなのでウィンドウズなどのソフトが使えない、CDやDVDは使えない、HDがなくメモリ使用など、普通に使うPCとしては不都合な部分もあるのだが、それがまた興味をそそられたりする。
「他にはないPCを、2週間だけ期間限定で販売し、販売に寄付を抱き合わせ」うまい手法だと思う。
さて本日のTシャツは、06年の、テキサス大学構内を走る5kmの大会「RUNNNING OF THE HORNS」のTシャツ。
このシャツがなぜ唐突にチャリティ話から出てくるのか、と言うと・・・
100ドルラップトップ「XO」の「XO」は「XとOがどの角度から見ても同じに見えて意味をなす」からなのだそうだ。
だがこのXO、よく使われる意味は「X」がキスを表し、「O」がハグ、つまり抱擁を表す。
手紙の最後などに「XOXO」と書いて「キスを同封」みたいな感じで使われたりする。
と言うわけで、KISS・FM(キスFMはFMラジオ局)がメイン・スポンサーとして背中にプリントされたこのシャツが本日のシャツとして登場という事。
つながりが無理やり?
では、ザ・モッズの森山達也さんが私のジャケットの背中にサインと共に書いてくれた「XXX」キス・キス・キス写真付きで、どうよ?
