
秋の味覚のひとつ、ぶどう。
今日と明日、その葡萄にちなんだ日米の大会からぶどうシリーズ。
まず、本日のTシャツは、カリフォルニアのワイン産地ソノマで行われるアイアンマン・トライアスロン「VINEMAN」のシャツ。
この大会は、スイム3.9km→自転車180km→ラン42.195kmのフルアイアンマンのシリーズ。なので、私が参加したわけではない。02年、夫が挑戦した時に会場で買ったもの。
米国に引っ越して落ち着いた頃、夫は長年の夢アイアンマンに挑戦することを密かに心に決め、各種レース完走を目指しながら白血病の治療研究を支援する「TEAM IN TRAINING」というグループに入った。
ここでグループで練習をし、ハーフ・アイアンをまず完走。その時点でフルもいけるかもと、VINEMAN挑戦を決意。
とういうと順調に計画をつんでいったようだが、VINEMANの直前は忙しくてほとんどトレーニングできていなかった。
そんなんでフルアイアンマン挑戦するの~?というのが私の正直な気持ちだった。
当日、朝7時頃スイムをスタート。それを見届けたあと、応援団(ワイナリー地区での大会ということで観光がてら合流した夫の両親、息子と私)は朝食へ。
スイムゴールを見に戻り、バイク・スタートを見送った後は、応援団はまた、バイクの周回コースを戻ってきそうな時間以外は街をぶらぶらしたりホテルに戻ったり。

その長い時間の間、夫はこんな景色や

こんな景色を眺めながらペダルを踏み続けていた。
自転車のコースがずっと葡萄畑で「もうぶどうを見るのは嫌っ!という気持ちになった」と言っていたわりには、葡萄畑の写真がない。写真をとるのも嫌なほど葡萄を見続けた、という事だろうか?
バイクの最終周回でタイヤが2度パンクしてしまい、修理に時間をとられたのが災いし、ランのスタート地点で「今からでは制限時間内は無理」と係員に宣告される。
いったんランは諦めた夫だったが、すぐに「まあ、2周回コースのうち1周回(21km)は時間内に走れるから」とランをスタート。

すでに183.9kmの旅をしてきた疲れに、「時間内はほぼ無理」という状況。10kmほど走ったところで「やめようかな」と気持ちが切れたそうだが、運良く、他のランナーと併走になり、旅も友ができた事で気力が持ち直せたと言う。
2周回目に入るのは「エイドが制限時間で撤収になり誰もいなくなるから」とストップがかかったのを「水もエネルギーバーも懐中電灯も持参していますので大丈夫。やらせて欲しい」と頼み込み強行。
そして制限時間の午後11時が過ぎる。
それ以降は誰もゴールに戻ってこない。「まだ3人がコース上にいる」との情報。
応援隊の方は、当時子供が小さかったのでホテルで就寝時間。夫のお母さんが子供に付き添ってくださると言うので、お父さんと私は、車で真っ暗で人気も全くないコースを逆走し、夫を探す。
葡萄畑の田舎道である。街灯などもない真っ暗な中、路面も舗装されていない道が続く。
係員の方に出会い尋ねると「年寄りのカップルしか見ていない」と言われる。
更にコースを逆走すると、いました!真っ暗な中を夫と女性アスリートが並んで歩いている。
えっと・・・「年寄りのカップル」って、この女性(46才)と夫(女性より若い)のことだったのね・・・・
夫は走ろうと思えば走れたが、女性をひとりで歩かせていくのもなんだしというので、一緒にずっと歩くことにしたのだそうだ。
そこからは、2人の後ろを車のヘッドライトで照らしながらゆっくり伴走。私は途中2人一緒に歩いてみたりもした。
暗く静かなカリフォルニアワイン葡萄畑の道が延々続く。
果てしなく思える葡萄道の向こうに、ようやくゴールゲートが。
女性は夫に言う。
「私はこれが始めてのアイアンマンじゃないから、あなたが私より先にゴールをくぐって。そうすればあなたは最終ゴール者にはならないから」(厳密には、女性のスイムスタートの方があとだったので、総時間では夫が最終ゴールになるのだけどね)
真夜中1時39分。18時間39分のアイアンマンのゴ~ル。おめでとう!!
翌日の表彰セレモニーで優勝者に贈られたのは、木箱入りのワインだった。
「パパはどうしてビール(ワインなのよ)が貰えないの~?パパもビール(ワインだってばっ)貰って欲しかったのに~」と泣き出した幼稚園児の息子に、大会役員の方が「ボク、ワインが欲しいならこの辺りにはい~っぱいあるからね。あとでワイナリーに行ってごらん」とニコニコ。
いや、そういう問題ではないんだと思う、多分。。。

大会記念バイク・ジャージー。葡萄ぶどう葡萄~!