
今週末オースティンは「LIVE STRONG CHALLENGE」イベント・ウィークエンド。
本日13日は5kmのランニング大会、明日14日は10、40、70、100マイルの自転車レースが開催される。
このイベントの中心人物は、ランス・アームストロング。
オースティンに住むランスは、若い頃からトライアスロンで頭角を現し、プロ自転車競技者になる。が精巣ガンが肺や脳にすでに転移している状態でガンを患っているのを発見。
化学療法などの辛い治療に耐え完治したあと、再びプロの自転車競技に戻る。そして前人未到の「ツールド・フランス」7連覇を達成。
自らが、ガンを克服し偉業を達成した希望の象徴となり、ガン撲滅のための非営利組織「ランス・アームストロング・ファンデーション」を設立する。
「LIVESTRONG」はこの組織にNIKEが手を組んだ、ガン撲滅運動キャンペーンである。
NIKEは、このキャンペーンにあわせて「10/2」というブランドのシャツやシューズなどを売り出している。「10/2」は、ランスがガンを告知された日付。
このNIKEが出したLIVESTRONGの商品でヒットとなったのが、黄色のシリコン製リストバンド。

日本ではこのタイプのリストバンドは、ライブエイドにあわせて売り出された「世界の貧困を救おう」という白い物で知った人が多いのではないかと思うのだが、元祖はこちら。ホワイトリストバンド以前に、オースティンを始め米国では、このイエローの物が大ヒットしたのだった。
ちなみにこの製品案をNIKEに出して作成したのはオーステインの小さな販促専門会社。大ヒットに大喜びという記事が新聞に載ったりしていた。
この黄色のリストバンド以降、いろいろな色に意味を込めた同様のリストバンドがぞろぞろ登場することになる。

このLIVESTRONGのシンボルカラーが黄色なのは、ランスが連覇したツールド・フランスで、勝者が着るジャージーが「イエロージャージ」と呼ばれる黄色いものだからだ。
ツールで勝ち続け、イエロージャージを着続けたランスを象徴する色がこの黄色なのである。
そして、このLIVESTRONGの活動の一環として行われるのが、フィラデルフィア、オレゴン、オースティンで開催される「LIVESTRONG CHALLENGE」のスポーツ・イベント。
イベントを通して、ガン撲滅のための研究支援費を集めるチャリティーイベントである。
チャリティなので、5kmの参加費は寄付金を含んだ50ドル。それ以外の寄付金集めはオプション。自転車の参加者は最低250ドルの寄付金集めが義務付けられている。
こういう形のイベントは、米国では珍しいものでもない。米国は「チャリティ」「寄付」が浸透した国であると思う。
特にこれからクリスマスに向けては「GIVING」のシーズン。
寄付集めや運動の趣旨が目に見えやすい、こういったランニングなどのイベントは運動を世間に広めるには恰好のものではないかと、思う。
本日のTシャツは、この「LIVESTRONG CHALLENGE」のTシャツ。
これは参加Tシャツではなく、2月にオースティンマラソンのエキスポ会場で配られていたのをいただいた物。
なので、バックプリントの開催地が、昨年度のものがプリントされている。
「LIVESTRONG」の宣伝用に出ていたブースでいただいたのだが、白地のシャツが配られている横で、この黄色のものを用意していた係の人もいたので、単に黄色のシャツの方がいいなと「黄色の方を貰えますか?」と聞いてみたら「はいよっ!」と黄色をいただけた。
が、あとで思ったのだが、乳ガンのこういったイベントでは、「参加者は白地、ガンを克服したサバイバーは運動のシンボルカラーであるピンク地」のシャツが配られる。
ということは、この黄色もこの大会の「サバイバー向け」だったのではないか?
もしそうならサバイバーに敬意を表して、私は着られないなあ、このシャツ。