
米国に暮らしてみて外から日本を見ると、日本の良いところが改めて感じられるものである。
その「日本はすばらしい!」と思うものの一つが「国民健康保険」。
日本に住んでいた頃は、給料から引かれる税金や保険料に、手取りが減る~とガッカリしたものだが、外れたところから見るとこの国民健康制度の利点がよく見える。
米国にはこの「国民健康保険」のようなものがない。健康保険は民間企業の保険を個別に契約する事になる。
会社員の場合だとほとんどの場合、会社でまとめて民間企業の保険契約し、雇用されている人々への福利厚生の一部として健康保険がつく事になる。
が、自営業やフリーランス雇用のない人などは、個人契約で高い健康保険の契約をしないといけない。どこまでの治療をカバーするかによって保険料も変わってはくるが、とにかく高い。
ERなどのアメリカドラマで「保険がない」から病院に行けない、治療を受けられないという話が出てくるのはこのためである。
ちなみに所得がかなり低い場合、福祉の一環としての健康保険が受けられるものは用意されている。
しかし、この福祉を受ける基準となる収入を少しでも超えてしまうと、驚くほど高い健康保険を個人で買わなければいけなくなる。
福祉は受けられないが保険を支払う金額が出せない、という層が出てきてしまう。
今度の大統領選挙で、ヒラリー・クリントンがこの健康保険制度の見直しをうたってアピールしているが、難しい問題である。
そういう背景の中、オースティンでミュージシャンをしているが保険が買えないという人々を助けようという共済組合がHAAM(Hearth Alliance for Austin MUsicians)である。
①過去一年以内に音楽の仕事をしている証明、
②ライブハウスやエージェントなどからの推薦状3通、
③収入が**以下である・・・・
など、その他いくつかの基準を満たせば、ミュージシャンは健康保険を交付して貰える。
で、組合はその運営資金が必要。というわけで、今日10月2日はHAAMのベネフィット・デイ。
オースティンのミュージシャンたちがレストラン、銀行、フィットネスクラブ、空港などなどでのべ69ステージのライブ演奏を行い、寄付を呼びかける。
協賛している小売店では、今日の売り上げの5%をHAAMに寄付する。
寄付の受付があちことにおかれる。協賛企業が集まった寄付金と同額を企業の寄付として出す。
などなど、街をあげての組合資金集めデー。
「ライブ・ミュージックの都」を街のキャッチフレーズにしたいオースティンならでは、とも言えるイベントである。
というわけで本日のTシャツは、そのHAAMのTシャツ。
女性用カットでかわいいのだけど、私はどうもこの女性用が似合わない・・・。