91 全国ジョギング大会T | 今日もTシャツ@TEXAS

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コレクションのTシャツのリスト作りも兼ねて毎日1枚づつにスポットをあてて掲載。Tシャツ掲載終了後はピンズのコレクションへと移行、続いて「貯まってしまったこんなもの」を掲載しつつ、日々の呟きを。→ほぼTシャツブログに戻りました。基本ランニング関連です。

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本日のTシャツは、シャツに日付はプリントされていないが91年の今日9月29日に行われた「全国ジョギング大会」のTシャツ。
9月7日に同じデザインのシャツを載せているが、そちらはプリントが紫の92年のもので、今日のはプリントが緑の91年もの。
シャツに日付が入っていないので、この大会で撮った日付入り写真を。
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一緒に写っていただいているのは、メキシコ、ミュンヘン、モントリオールとオリンピック3大会での日本代表マラソン・ランナー、宇佐美彰朗教授。

大会については、9月7日に書いているのだが、この大会の主催は「世田谷区ジョギング愛好会」。

世田谷と言えば、私は80年代に数年間世田谷のアパートに住んだことがある。
アパート探しをした時、希望はおしゃれな街「三軒茶屋」に住むことだった。が、三茶は物件が高い。
妥協して、最寄は別の駅だが三軒茶屋までは歩いていける距離、というアパートに住むことにした。
そのアパートは、木造の2階建てで一部屋は6畳。トイレは付いているが、風呂無し。
住所は世田谷区でも、かぐや姫の歌「神田川」の世界かというアパート。

風呂なしなので、環七を渡って銭湯に通う。この途中にレーザーディスク専門のレンタル店があった。
LDを持っていたのでこの店は嬉しかった。私が始めて小津安二郎監督の映画を観たのも、ここでレンタルしたものだった。
ちょうど今頃の秋の日、小津映画をぶどうを食べながら鑑賞。6畳のアパートで見る小津映画はなんともワビサビの世界がぴったりでもあり、私は一気に小津映画にこり、レンタルにある映画は全て鑑賞した。

その後、三軒茶屋から世田谷線で行ける下高井戸で通常の映画上映が終わったあと、レイトショーで日替わりで小津映画を上映するイベントがあったので、これに通った。その小津週間は87年2月の事で、その期間中のある日東京に雪が積もった。小津映画を観たあと、三軒茶屋から雪道を歩く。なんとも風情があり、世田谷のそのアパートの思い出にはその雪道と小津映画がまず思い出される一つとなっている。

同じ年、日本の映画フィルムを保存しているという「フィルムセンター」でも小津映画の特集が組まれ、ここで一般にはソフトが発売されていない貴重な物も含め12本を鑑賞する事ができた。
このフィルムセンターでも鑑賞も味があった。
集まっている人たちはかなりな映画ファンが多いような雰囲気。無声映画を上映中に、フィルムがスムーズに映し出されなくなった時には、あちこちから「パンパン」と手が叩かれる。昔、映画フィルムの映写が上手くスクリーンに映し出されていない時には、こうやってフィルムをまわす人に知らせたらしい。
が、私は、この時劇場内で手が「パンパン」と叩かれ、近くに座っていた方が「ほらね、昔はこうやって手を叩くと映像が直ったんだよ」と説明されるのを聞いて、手を叩くと「その音で自然にフィルムが直る」のか!と思って感動してしまった。
ちなみに、この当時の通常の映画は1200~1500円。高井戸のレイトショーは600円。フィルムセンターは、一回に2本づつが上映されたが、一本ごとに一度館外に出て並びなおす。映画1本ごとに350円だった。

高井戸でレイトショーを見た余韻に浸りながら三軒茶屋から歩いて帰る夜も風情があったし、フィルムセンターで映画マニアっぽい人たちと小津作品でも普段目にできない貴重映画を観るのも血が騒いだ。
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懐かしい日本を思い出させてくれる小津映画。世田谷のアパートは、その雰囲気を更に盛り上げた恰好の部屋だった。
(写真はデビッド・ボードウェルの小津研究本と、全作品鑑賞制覇を目指して重宝した小津全作品解説本。)