
伊勢正三さんが70年代に「風」というグループ時代に歌われた歌に「暦の上では」という曲がある。
当時、この歌を聴いた時、気になった箇所がある。
歌詞の♪ボタンダウンのシャツもそろそろ着れなくなってゆく頃♪という部分である。
ボタンダウンは長袖も半袖も存在するので「着れなくなる頃」はつまり、年を取って着られなくなる、という事だろう。
この歌詞を聴いて「えっ?そうなのか?」ととても気になった。私はボタンダウンはいつまでも着られると思っていたからだ。
ボタンダウンのシャツもそうだが、VANに代表されるような「アイビー・ファッション」が大好きだった。
三つボタンの上二つがけブレザーなど、雑誌「メンズ・クラブ」を眺めては、かっこいいなあ~とうっとりした。
ファッションだけでなく、アイビーのスタイルは憧れだった。「Alright!」という雑誌に、ブラウン大学の学生の密着取材が特集された事があり、学生の部屋の様子など、いかにも「アイビー」で、何度も写真を眺めたものだった。
今じゃ、アイビー項の学生のドームも、あの時のようではないであろう。なんたって、私がアイビースタイルに憧れていた頃には、携帯電話やmp3プレーヤーなどというものが部屋にはなかった訳だし。
さて、本日のTシャツは、MIT(マサチューセッツ工科大学)のボートTシャツ。
MITはアイビーリーグではない。アイビー校のTシャツも何枚か持ってはいるのだけど、デザインが、私の持つ昔の「アイビーファッション」のイメージに近いという事で、あえてこのTシャツを選択。
これは、ボストンを訪問した際、確かMITではなくハーバード大学の売店で購入したはずのもの。
冒頭に書いた「ボタンダウンが着れなくなる頃」だが、私は今でもボタンダウンは着ている。
いかにもアイビー・ファッションな、細かいディテールをきっちり取り入れた着こなしではないし、シャツもVANではない。
「アイビー・ファッション」とは見えない、呼べないであろうが、私が今でもボタンダウンを好むのは、年はとっても「YOUNG AT HEART」でい続けたいからかも知れない。
今よりもっともっと年をとっても、BD(ボタンダウン)を着つづけていたい。
「For the young and young-at-heart」 VANのこのコピーは本当にシャレている。
Young-at-heartだから着ても良い、というより、BDを着ることでyoung-at-heartにさせてもらえるのかもしれない。