
アメリカの学校は卒業、学年度終了の季節。
ここのところ子供の「パーティー」だらけである。学年度が終わって長い夏休みに入る前、各スポーツチームのシーズンなどもそれにあわせて終了するので、シーズン終了パーティーやら、クラスのお別れパーティーやら、なにやら・・・がいくつも開催されるからである。
何かが終了する、これが最後、というのはパーティーで楽しく過ごしてもやはり淋しいものがある。
息子のカブ・スカウト。
カブスカウトは、各学年ごとにDENと呼ばれるチームに分かれる。多少の出入りはあるものの、DENメンバーは1年生から5年生までのカブ期間、ずっと一緒だ。
4年生の息子はあと1年カブでの活動後、6年生からはボーイ・スカウトの隊に移行する。
カブスカウトは小学校が母体となり、同じ学校の同級生は同じ隊に入るのだが、ボーイスカウトは希望の隊に分かれる。隊ごとに特徴があり、アウトドア中心でキャンプが多い隊、教会が母体となり社会奉仕活動が多い隊、真剣にランクアップを目指す隊・・などから自分に合った隊を選んで入るのだ。なのでカブで一緒だったメンバーもバラバラに散らばることになる。
カブスカウトでの息子の学年チームはラッキーだった。経験豊富なリーダーの他、キャンプ好きなお父さんが数人いて、更に庭がとても広い家に住むMさん家族がいた。
キャンプ好きお父さんがMさんの家のことを知り、「庭でキャンプできるんじゃない?」と持ちかけた。Mさんは快く、毎年度末の5月に、自宅でチームのキャンプを開催してくださった。スカウト全体で行うキャンプとは別に、Mさん宅の広~い庭で学年チームだけでテントをはって宿泊し、キャンプファイヤーをし、庭のプールで遊び、近くの化石が取れる場所で「発掘」したりした。

今年のこのキャンプ、ちょうど母の日にあたったので、Mさんから各家庭の母親達にプレゼントが贈呈された。いただいたのは「樫の木」。
チームメンバーの各家庭に植え、育っていく木を見れば、将来もずっとこのカブスカウトチームのこと、共に成長してきた仲間達のことをを思い出すだろう、という事だ。
その時みんな気がついた。
カブスカウトの卒業とボーイスカウトへの移行は、年度末の5月でなく、一足早く2月にある。という事は毎年5月に行ってきたこのMさん宅でのキャンプは、今年で最後なのだ。
1年生で初めて集まった時からずっとメンバーの子供達の成長を共に見てきた15家族。みんな、しんみりと、子供達の成長ぶりを話し始めた。あんなこともあったよね、こんなこともあったよ、と。
あと1年で別れていくカブスカウトチーム。離れても、それぞれの家庭で、Mさんからの樫の木も育っていくのだ。粋なプレゼントだと思った。
粋、ではあるが、このようなプレゼントを貰ったことは初めてかもしれない。まだ幹が細い若い木ではあるが、すでに丈は私の背より高い。成長すればかなり大きくなる木である。
これを15家族に贈っても、みんな植える場所があるという前提なのが、都会ではありえないかも。
本日のTシャツは、絵には5本しかないけれど、木が育っている柄の「I LOVE CENTRAL PARK」Tシャツ。91年にニューヨークマラソンを走った際に、セントラルパークの周りに出ている「出店」で買ったのだと思う。
セントラルパークとは全然違う規模の話だが、我が家のカブ・スカウト記念樹も、スクスク育ってくれると嬉しい。

卒業、別れの季節はやはり淋しいものはあるが。