
オースティンで、一つの世界記録、ギネスレコードが生まれた。
2ヶ月ほど前、近所の家のガレージに10代の男の子達が集まってテーブルに向かっていた。何をしているのだろうと思ったら、ギネスに挑戦する準備中だという。
何でも、ボーイスカウトでよく使われるロケットの、一度に打ち上げられた数の記録が300いくつかなのだそうだが、その子達が所属するボーイスカウトの隊でそれを上回る記録「世界一」を作ろうと、打ち上げるロケットをみんなで作っているのだと言う。
400も打ち上げれば、記録をやぶれるのだが、せっかくだから隊番号と同じ990を目標に、週末集まって作っているのだと。
目標達成には990のロケット作成キットがいる。隊の担当者はメーカーに無償支給してもらえないか交渉に出かけた。現在の記録を作ったスカウト隊が使用したのは、このロケットの市場のシェア1位のA社のもの。隊はシェア第2位のB社に話を持ちかける。「私達が貴社のロケットで世界記録を作る。ロケットを提供していただけないか。」と。無償提供は無理であったが、特別価格での納入には協力してもらえたそうだ。
隊員の各家庭にそれぞれロケット25機の組み立て製造が割り振られる。ロケットは写真のような物で、小型エンジンも付く。また、筒状の中にはビニールのパラシュートが仕込まれていて、打ち上げられた後、空中で先端部分が離れ、ロケットはパラシュートでゆっくり地上に落ちてくるようになっている。
6ヶ月かけて隊員たちが作ったロケットは1000機を越えた。そして、いよいよギネス挑戦の日となった。
朝5時半に集合したロケット達を、地元の花火会社が並べて一斉発射の接続を担当する。
数時間かけて設置されたロケットの、カウントダウンが始まり、「ゼロ」でロケット達が白い煙を吹きながら一斉に空に登っていく。
大歓声に包まれながら、ロケットは上空でパカッとパラシュートを送り出し、今度は一斉にゆっくりとフワフワ降りてくる。
おもちゃのようなロケットだが、数が多いと感動的な景色だ。
うちあがらなかったロケットが発射台に35機残り、記録は965機打ち上げとなった。
もちろん300代だった今までの記録を破り新記録達成。プロジェクトの書類やビデオなどをギネス本部に送付し、3ヶ月後くらいに正式認定の有無通知が届く見込みである。
ロケット作りはコツコツ時間がかかったようだが、打ち上げ後地面に落ちたパラシュート付きロケットの回収清掃は、意外に簡単だったようだ。風に吹かれ四方に着陸したロケット。隊のリーダーがアナウンスをする。「さあ、世界で一番楽しいエッグハントの開始!袋を配るので、ロケットを探して集めて下さい。」子供たち、特にカブスカトの小学生達は嬉々として広場を走り回ってロケットを回収していく。
散らばった不要物の清掃世界記録も樹立できそうな勢いだ。
本日のTシャツは、ロケットつながりでアメリカ航空宇宙局「NASA」のTシャツ。息子がNASAで宿泊キャンプした時に買ってきてくれたお土産シャツ。