
息子が通う小学校で、運動会、学芸会という催しはない。
学芸会の代わりにあるのが「タレント・ショー」というものである。
学校の告知が配布されたあと、出演希望の子供達は申し込み書を出し、オーディションを受け、当日「才能」を披露する。
いわゆる学芸会との違いは、みんなで一つの物を練習して発表するのでなく、個人やグループで日ごろ練習してきたものを発表するという事。
一番多いのがピアノ演奏。そしてカラオケを伴奏に歌うのや、バイオリンなどの楽器演奏、ダンス、体操・・などが披露される。
オーディションがあるといっても、演目のレベルが低いものを落とすというわけではない。例えば指一本で演奏する「ネコふんじゃった」でも、希望すればステージに立てるようだ。
オーディションの目的は、生徒達に見せて良い内容のものか(暴力的な要素がないか等)をチェックするのと、当日の順番を決めるのに、静かな音楽ばかり続かないようメリハリのついたプログラムを組むために内容を知る事なのだろう。
内容のチェックには、歌われたりBGMで使う曲の歌詞チェックもあり、参加希望を出す際に、歌詞も添付して出さねばならない。
息子は毎年「空手」を披露してきた。本人はピアノで出たいと言っていたのだが、それこそ「指一本でネコふんじゃった」のレベルなので、まだましな空手での出場に誘導してしまった。
毎年空手なので、「昨年より良いものを」とつい思ってしまう(私が)。今年は後半に「カマ」(草刈りガマである)を使い、最後のシメは「板割り」でフィナーレ!という組み立てで、BGMを使いショーアップを目指してみた。
息子に、何か使いたい曲はあるか聞いたが、アイデアは何もないというので、ここぞとばかり、私のお勧めの布袋寅泰の曲を聴かせてみた。息子、すんなり採用。
布袋さんの曲のCDを用意していたら言われた。「それそのまま持っていったらダメかもしれない。」
使用予定の曲は、映画「KILL BILL」のサントラ盤に収録されている。「KILLなんてCDの曲じゃ却下されるかも」と。急遽、生CDに焼いて真っ白盤で持っていくことにする。
オーディションは、放課後30分ごとに10人ほどが割り振られ集合し、順番に演目を「審査員」に披露していく。
息子の順番を待ちながら、他の子達の出し物を楽しんでいたら、女の子達のダンスが終わったところで「審査員」の先生が尋ねた。「そのBGMの曲のタイトルは何?」
はっ!息子が使う布袋さんの曲、タイトルは「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」つまり「仁義なき戦い」なのだ。まずい!使用却下されるかもしれない。もし聞かれたら「Battle WITH Honor or Humanity」と言っちゃおうかな?お金をとるショーじゃないから使用著作権申請があるわけでもなし、タイトルの虚偽で訴えられる事もないよな?・・瞬間そういう考えが頭を走る抜けた。
結局、曲名は聞かれなかった。「カマ」の使用がOKかに気をとられて聞き忘れられたのか、もしかしたら、ダンスの曲名は先生が気に入って知りたかっただけだったのかもしれない。
とにかく、これでここの小学校の生徒全員に、布袋さんの曲を聴かせる事ができるのだ。・・って、日本音楽普及隊か、私は。
日本の学芸会と違い、個人の出し物のマイナス部分がここなのだ。親がしゃしゃり出たくなるのだ。
本日のTシャツは、息子は空手を披露という事で、昨年のマーシャル・アート全米大会「ISKA US OPEN」のシャツ。
私が大会に出たわけではないが、2日間朝から夜まで会場にいたら、やはり記念グッズ売り場で買い物してしまう。このシャツ、色違いなどを含め、合計5枚我が家にやってきた。
もし、私が「タレントショー」に出るなら、「Tシャツの山、早畳み技」でも披露するか。BGMは「部屋とTシャツと私」・・あれ?曲名虚偽か、パクリになってる?