東京H3 900回RUN T | 今日もTシャツ@TEXAS

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コレクションのTシャツのリスト作りも兼ねて毎日1枚づつにスポットをあてて掲載。Tシャツ掲載終了後はピンズのコレクションへと移行、続いて「貯まってしまったこんなもの」を掲載しつつ、日々の呟きを。→ほぼTシャツブログに戻りました。基本ランニング関連です。

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13年前の4月23日。人生を変えたTシャツ。

人生は「たら」「れば」の連続で「今」につながってゆく。もし13年前、このTシャツを手にしていなければ、私のその後の人生は全く違っていたはずであり、私は今テキサスに住んではいなかったのであろう。

13年前、フルマラソンで目標としていたタイムに到達した私は、次にしたい事が2つあった。
ひとつはトライアスロン挑戦と、もうひとつは「走友会に入る」事だった。走友会(ランニング・クラブ)を探していた私にネックだったのは、だいたいどこの会も「土曜の朝に集合」だった事。当時、朝が苦手ながら、平日は毎日5時起きで勤務前の早朝にジム通い、日曜は早起きで大会参加していた私は、土曜の朝だけは思いっきり寝坊したかったのだ。

そんなところ、ランニング雑誌に告知を見つけた。「4月23日900回記念RUN、井の頭公園3時、Tシャツあり」。午後3時!これなら行ける。しかも「記念Tシャツ」つきである。詳細を聞こうと、記載されている連絡先に電話をしてみた。電話に出たPさんは「吉祥寺の駅から矢印があるので、それをたどって来てください。大丈夫わかるから」とだけ言って電話を切ってしまった。

お葬式の案内のような人差し指で方向を示した張り紙があるのだろうか?と思って駅に着いたが張り紙など見当たらない。15分程探したがわからない。井の頭公園といっても広いしな~と、諦めて帰ろうとした時、駅からランニング姿の男性が歩いてきた。公園の方に向かっているが、ただジョギングしに来た人かもしれない可能性は高い、と思いつつこっそり後をつけて行くことにした。

公園内でその方がたどり着いた先には、ランニング姿の男性が2人ビールを片手に立っていた。ビールを飲んでいるという事は、これから走る人達じゃないな、やっぱり違ったか~とガッカリしつつ、一応尋ねてみたところ・・「そうです」という返事が。えっ??もう走り終わったの??「いいえ、これから走りますよ」 えっ、走る前から飲んでるの???
しかもそのすぐ近くでは、その日にバラバラ遺体が見つかったという現場で警官達がものものしく現場検証をしていたのである。なんなのだ、この光景は?

それから人々が集まってきたが、ランナーたちの服装も、それまで私が見てきたランナーたちとはどこかなにか違う。妙なハチマキを巻いている人達、首からホイッスルなどをぶら下げている人達、ランパン姿の自分が場違いなような・・・不安に思っていると、隣に立っていたハイソックスの男性が言った。「初めてですか?これから楽しい事が始まりますよお~!」。更に不安がつのるではないか。

RUNが始まって更に驚いた。この会のRUNは、コースを設定した人が路上に書いた矢印を探しながら走ると言う、オリエンテーリングのようなものだった。

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なんだこれは?と思いながら走り終わったあと、また更に異様な光景が。この会、独自の歌を歌いながら、ビールをガバガバ飲むのだ。妙だ~。
私は思った。う~ん、これは何かの新興宗教などの団体かもしれない。独特な走友会だ。うかつに仲間になると言わず、様子を見よう。

そう思った割には、その日私は、Bさん、Kさん、Cさん、Mさんと一緒に3次会のカラオケにまで行き、最終電車で帰宅した。思えば、その妙な会に、妙な私は波長があっていたのだろうか。その後、このクラブにはどっぷりハマってしまい、毎週欠かさず参加するようになった。ちなみに、懸念した宗教とか政治や思想などの絡んだ団体では全くなかった。

あの時雑誌の広告を見つけなければ、あの時駅からKさん(と後にわかった)が歩いてこなければ・・・私はこのクラブには出会わなかった。それは、ここで出会えた多くの友人達に出会えなかったことになり、みんなで旅行がてら参加した大会などにも出ることはなかったかもしれないし、そして、今テキサスに住んでいることはなかった、という事にもつながっていくのである。

13年前、このクラブと出会ったキーワードは「午後3時」そして、「Tシャツ
あり」。