
「貴方もウィリー・ネルソンのご近所さんになれるかも!」そんな記事が今日の新聞に載っていた。
ウィリー・ネルソンはオースティンを代表するミュージシャン。オースティン郊外の、ゴルフ場も擁する広々したところに住んでいる。今回、彼の所有地の一部とその周辺に、今後10年で500戸ほどの住居を建設する開発が、進められることになった。
「ご近所に!」とは言っても、近くに川が流れるウォーター・フロントだったりする地域で、建築される家々も、「コレ以下の大きさはダメ」などと厳しい規制が設けられており、地元オースティンの人の他にも、ダラスやヒューストン、アリゾナやカリフォルニアの住人の「セカンド・リゾートハウス」としての需要を見込んでいるような、いわば「高級住宅地」となる。一戸あたりの予定価格の最高は、8億円を越えている。私がご近所さんになるのは無理なようだ。
ウィリー・ネルソンの事は、私はずっと間違ったイメージを持っていた。
昔、レコードを聴いて、彼の澄んだまっすぐな歌声に私は「ウィリー・ネルソンは生真面目な人に違いない」と思い込んだのだ。
オースティンに引っ越してきてから、TVでウィリーのドキュメンタリー番組を見て、それがとんでもない勘違いイメージだったことに気がついた。
その番組で知ったウィリーは・・・
税金の確定申告を長年やっていず(本人いわく「面倒でやってなかった」)、税務局から多大な金額の徴収が来る。彼は持ち物の一部をオークションしたり(ゴルフセットなどをファンが高額で買ってゆく)、売り上げは全額税務局に行くというCDを発売するなどして、支払っていく。マリファナなどでも警察にマークされている・・・生真面目どころか、かなりハチャメチャな人のようなのだ。
まあ、ミュージシャンとしては、生真面目より、そういうほうが魅力的だと、私としてはウィリーのファン度があがったのだけれど。
そんな、ウィリー・ネルソンがモデルではないかと思うプリントの、06年「KEEP AUSTIN WEIRED」5Kが、本日のTシャツ。
「KEEP AUSTIN WEIRED」というのは、訳すと「オースティンよ、へんてこであれ!」というとこだろうか。オースティンではこのスローガンは、走っている車にバンパー・ステッカーが貼られていたり、スローガン入りシャツを着ている人が歩いていたり、と目にすることも少なくない。
このシャツは、そのムーブメントのイベントの一つとして毎年行われる5kmのRUN大会のもの。
前面プリントには、テキサス的なものが盛りこまれている。三つ編み髪をなびかせた「ウィリー・ネルソン」らしき「バンダナ」を巻いた人が、「テキサス州旗の柄」のパンツを着用し、「アルマジロ」姿のシューズを履いている。ギターのヘッド裏には「テキサス州の地形」が描かれている。
どのアイテムも、オースティンではよく目にするものだ。
背面は、大会ボランティア用のものには「WEIRED VOLUNTEER」(みょ~なボランティア)、ランナー用は「RUN WEIRED」(不気味に走れ)とでかでかとプリントされているのがミソ。
KEEP AUSTIN WEIRED そういうスローガンがあるところが、オースティンとは一風変わった街である。
そしてもう一度言っておこう。オースティンを代表するミュージシャンとしてまず名前があがるのは、ウィリー・ネルソンである。