Let's not fall in love 第2話 | BIGBANG ジヨン中心の何でもありの妄想日記*..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .

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妄想小説あり、イラストあり、日常あり、ダイエットありの、何でもありの何でも日記っ♪(´ε` )

楽しみましょう*\(^o^)/*

おそらく、ほぼ小説w




 お久しぶりでございますニヤニヤ

のんさんでございます(*´∀`*)ノ

ジヨン編やっと第2話ですよーニヒヒ
更新までが長かったよー笑い泣き
そして、話も長くなったよー滝汗


何かどの辺で区切ろうかと考えていたら、結構な長さになってしまいました真顔

すまみせん。←誤字じゃないよ?ワザとだよ。

すまみせん。←最近のお気に入りちゅー別に興味ないって?www



はい!という訳で、今回長いですポーン
ですので無理せず疲れたら
途中でスマホぽぉーーいっして
ゆっくり読まれてくださいなウインク














翌日、職場に出勤するとマスターがいつもよりも声音を一音上げながら私が更衣を終えたスタッフルームの中へと浮き足立って入って来た。
「ましろちゃん聞いた?」
「何をですか?」
私は鏡の前に立ち、身なりを整えながら鏡越しにチラリとマスターの方へと視線を向けた。マスターはまるでクリスマスとお正月がいっぺんに来た子供の様な笑顔を浮かべ、驚けと言わんばかりに得意げに話してきた。
「今、このホテルに来てるんだって」
ここには私達二人しか居ないのにそう小声で話すマスターに何だか少しだけイラッとした私は視線をマスターから鏡の中の自分に戻して聞いた。
「誰がですか?」
私に訊かれるのを、待ってましたかのようにマスターはぐっと私に近づくとさっきよりもさらに小声になり後ろから私の耳元で囁いた。
「BIGBANG」
そう聞いたところで普段から‘‘そういう事”にあまり関心の無い私はマスターの望む様な反応が出来ないのは明らかだった。
「ふーん…そうなんですね」
マスターはそんな私の答えが納得いかずに後ろの方で「何で〜!つまらん〜!」と年甲斐もなく体をバタつかせていた。
正直、髭面の中年のおじさんのジタバタする姿なんて見るに耐えられない。
「マスター、働きますよ」
私はバタついているマスターの背中をぐいぐいと両手で押しながら歩きスタッフルームを後にした。
マスターにBIGBANGと聞いても名前は聞いたことはあるな、くらいの感覚だったしそれにこのBARは少し高めのホテルの中にあるという事もあり芸能人が来ているなんて事はそんなに珍しい話ではなかった。
私は店のカウンターに入るといつもの様に慣れた手つきでグラスを拭き始めた。
暫くしてもお客さんのくる気配はなく、マスターはお酒の在庫を確認してくると言ってバックヤードへと向かった。その間私は店内に流れる心地の良い音楽を耳に隙をみては襲ってくる眠気と必死に戦い続けていた。
そんな中でも頭に浮かぶのは昨日の屋上での彼の姿だった。
妖しく微笑む彼の姿は夜の暗闇と溶け合ってとても美しかった。
私はそっと人差し指で自分の唇をなぞった。
そして思い出すだけで疼いてくる唇を感じてぎゅっと瞳を閉じた。
まさか自分が見ず知らずの人と唇を重ねて、加えてあんな風に自分から求めるなんて今思い返しても恥ずかしくて信じられなかった。
私は自分を落ち着かせようと大きく息を吐きそっと瞳を開いた。
それと同時に店の入り口が開き、男女の二人組がゆっくりと薄い灯りの中こちらへと向かい歩いて来た。
「いらっしゃいませ」
そう言って目の前のカウンターに座るその人を見て私は思わず声を漏らした。
「あ…」
私の声に反応して彼も顔をあげこちらに視線を向けた。
「あ」
二人の間に何とも言えない空気が流れ店の中の音楽が異様に大きく聴こえた。
「知り合い?」
その空気をかき消す様に連れの女性が口を開いた。
女性は彼の腕にそっと触れ、隣りに座る彼を見つめた後ゆっくりと私に視線を移した。
「知り合い…ではないな」
確かに知り合いではない。知り合いではない事に間違いはないけれど、彼のその言葉とその彼の腕を握って離さない女性の姿を見て私は胸の奥を何かがチクリと刺激したのを感じたが、その胸の違和感に蓋をして目の前のカウンターに座る彼に問いかけた。
「お客様、ご注文は?」
私の言葉に彼は少し眉をピクリと動かし動揺を見せたがすぐに表情を見繕うと平静を装い言葉を発した。
「ウイスキーのロック、氷少なめで」
私は微笑み「かしこまりました」と小さく頷くと隣の女性へと視線を移した。
「そちらのお客様は?」
そう尋ねると彼女は肩まで伸びたその柔らかそうな黒髮をゆっくりとかきあげ、一度彼の方をチラリと見つめて微笑むと、そのまま私へと視線を移した。
「私は、あまり強くない物をお願いします」
そう丁寧に注文する彼女を見て同じ女性として敵わないだろうなと自分勝手に思った。
「さっきのお店で飲み過ぎちゃって」
色気を漂わせるその見た目からは想像もつかない程、笑うとぐっと幼くなってまるで少女のように彼女は笑っていた。
二人は暫くその場でグラスを片手に会話を楽しんでいる様子だった。所々で耳に入ってくる会話を推察するに二人は長く付き合っているようだ。

ーだったら何であんな事…

私は唇を強く噛むと楽しげに話している二人から視線を逸らして背中を向けた。
私の方だけが昨日の会話を思い返して、たった一回の口付けを気にしてのぼせ上がっているみたいで、とても惨めで鼻の奥がツンと熱くなるのを奥歯を噛み締めて堪えた。

午前0時を過ぎたあたりで二人は立ち上がり、彼が会計を済ませた。
彼は彼女の腰に手を当てて二人で店を後にする。入り口を出る瞬間、一度だけ彼がこちらを振り向いたが店内の薄暗い照明の中ではどんな表情を浮かべているのかなんて分かるわけもなく店の外へと出て行く二人の背中を見送るしかなかった。

それから私は仕事を終えるといつものように屋上へと向かう階段を一人ゆっくりと登っていた。いつもと変わらないはずなのに、足が重くて上手く前に進めない。
それでもようやく屋上のドアの前に辿り着き私はその目の前にある鉄の扉を力無く押し開けた。
目の前にはいつもと変わらない街の灯りがキラキラと光り輝いている。
そんな美しい景色を目にしても私の頭の中を占領するのは彼の事ばかりだった。
私は彼の事を何も知らない。
どんな性格で、どんな仕事をしていて、何が好きで、何が嫌いで、一体いくつで、どうして日本に来ているのか…何も知らない。
ただ分かるのは"クォンジヨン"っていう名前くらい。

彼に会ったのはたったの二回。
そして、たった一度唇を重ねただけ。

ただそれだけの事なのに、どうして何も知らない彼の事がこんなに気になるのだろうか。
「はぁ…もう意味わかんない」
「何が?」
居るはずのない誰かの声に振り向くと、そこには今の今まで私を悩ませていた彼の姿があり、私は驚きのあまり彼の問いかけを無視してまた体を元の位置に戻した。
暗闇の中からタッタッタッと彼の靴音が聞こえたかと思えば、その音は私の隣りまで移動しそして、ピタリと止まった。
「何で無視するの?」
私は彼の方へと顔を向けると、思った以上に近くに居てこちらをじっと見つめる彼の視線に捕まった。その瞬間私の心臓は大きく脈打つと、次の瞬間には正体のわからない緊張感が私の体全体を支配していった。
私は彼に捕らわれていた自分の視線をやっとの思いで引き剥がすと、この体に流れる緊張を悟られないように口を開いた。
「何でここにいるんですか?」
私がそう尋ねると彼はフッと鼻で笑い私の顔を覗き込むようにさらにぐっと顔を近づけて来た。
「俺が質問してるのにね」
彼の方にチラリと視線だけ向けると悪戯っぽく笑い私を見つめている。
私はそんな彼から視線を逸らすと柵に腰掛けて街の灯りに背中を向けた。そんな私を見て彼も同じように背中を向け、私の横に並んだ。
「ここに来ればあんたに会えるかなって思った」
「え…⁉︎」
私は思わず呆けた声を出して彼を見上げてしまった。一方彼はというと微笑みながら私の方を静かに見つめていた。
「何でそんな事言うの?彼女いるんでしょ⁉︎」
その発言と私に会えたことが嬉しいと言わんばかりに微笑んでいるその笑顔が、無性に腹立たしくて私は語尾を荒げて問いかけた。
「いるけど、関係ある?」
「はぁ⁉︎関係あるぅ〜⁉︎」
私がさらに声を荒げると彼はわざとらしく両耳を指で塞ぎ驚いたフリをしていた。その仕草も見る人が見れば可愛らしいと思えるのだろうが、今の私にすればこの苛立ちを増長させる材料の一つでしかなかった。
「あのね!あなたがいくつか知らないけど、いい大人がそんな可愛い仕草したとこっ…」
「知ればいい」
私の言葉に被せるように彼が話した。
さっきまで見せていたふざけたような表情とはうって変わってその真剣な眼差しに大きく心臓が脈打って私は一瞬息を飲んだ。
「俺の事もっと知ればいいよ。それに勘違いしてるみたいだけど、下心とかないから。俺、彼女の事すげぇ大切だし」
そう言って空を見上げた彼の横顔をじっと見つめた。大切だと言った彼は少し微笑んでいるように見えて、あぁ本当にあの彼女の事が大切なんだろうなと私は一人心の中で思ってしまった。 それと同時にさっきBARで感じた胸の疼きが強くなり私は緩んだ心の蓋をより一層キツく締め直した。
「ただ、知りたいって思っただけ。それに…昨日の事はいけない事だって思ったからちゃんとごめんって言いたかった」
そう言って頭を下げる彼を見てまるで母親に叱られて謝っている子供みたいに思えて、思わず口元が綻んだ。
「何で笑ってんの?」
「何で…っもない…っふふ」
そう問いかけた彼のキョトンとした顔があまりにも幼くて私は堪えきれず笑い声をあげてしまった。自分でも何がそんなに可笑しいのかわからず、そんな私に釣られて彼も次第に笑顔になり二人して訳も分からず夜中の屋上で声をあげて笑った。
一頻り笑い倒した後、私は目尻に薄っすらと浮かんだ涙を人差し指の腹で拭うと大きく息を吐いた。
「あー笑った!何かわかんないけど楽しかった」
そんな私を見て目元を優しく細めながら彼が右手を差し出してきた。
彼の意図をすぐに理解した私はその右手を握りしめ真っ直ぐに彼を見つめた。
「初めまして、クォンジヨンです」
そう言ってジヨンはぎこちなく笑い左手で右耳の後ろあたりを触り、軽く下唇を噛んで恥ずかしさを隠しているように見えた。

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「初めまして」
続けて私も自身の名前を伝えると彼は反すうするように何度も私の名前を呼び続けた。

絶対にダメなのに。
叶うはずなんてないのに。
相手は他に想っている人がいる…そう頭では考えていても心がついていかない。一度認めてしまえばその感情はたかが外れたように溢れ出し、私の心を支配していった。
もっときつく蓋を締めなければと慌ててみても、もうすでに遅く私の名前を呼んでくれる彼の声が耳の奥でこだまして離れなかった。
「ましろ、いい名前だな」
そう言って微笑む彼を見つめると自然と涙が溢れた。
彼の笑顔を見ると苦しくて胸が締め付けられるようだった。
きっと初めて出逢った口付けの夜から私は彼に心を奪われていたのだろう。
ただ自分がそんなたった一度の口付けで人を好きになるなんて認めたくなくて、心に蓋をして見ないフリをした。
「ジヨン…」
そう言って涙を流す私を見てジヨンは驚いた表情を見せ心配そうに声をかけてくれた。
「どうした?大丈夫か?」
「大丈夫、コンタクトずれた」
私が冗談っぽく笑うとジヨンは「焦った〜」と言いながら笑っていた。

そんなジヨンの姿を見て頭の奥で、もう一人の私の声がした。
『きっと辛くなる、これから耐えられなくなる時が必ず来る、今ならまだ引き返せるから…』
わかってる。
それでも、もう想ってしまった。
この人の笑顔をもっとみたい…
この人のことをもっと知りたい…

ただそれだけでいい、他には何も望まない。

だから、ただ静かにジヨンを想うことを許して欲しい。

私の問いかけに頭の奥のもう一人の私は何も応えてはくれず、誰に届くわけでもない私の声はどこにも行けずに自身の心の中にいつまでも留まり続けた。




let's not fall in love 第2話           fin.