M.U.P 第1話 | BIGBANG ジヨン中心の何でもありの妄想日記*..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .

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妄想小説あり、イラストあり、日常あり、ダイエットありの、何でもありの何でも日記っ♪(´ε` )

楽しみましょう*\(^o^)/*

おそらく、ほぼ小説w










初めてジヨンさん以外の小説書きましたデレデレ
ikonのハンビンちゃんのやーつニヒヒ

え?
ただでさえ亀更新なのに、何で2作も一気に長編書くんだって?


えへへニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤ


だって書きたかったんだもん♡←だもん♡じゃねぇよヾ(=д= ;)

亀更新だけど、ちゃんと書くから許してくだせぇ滝汗滝汗

ではでは、私のジヨンさん以外の初めての妄想小説グラサン

興味のある方はぜひぜひ、読んで下さいなちゅーちゅーちゅー

















耳を劈くような音楽の中、スポットライトの中の彼を見て思う。
あの人は誰なのだろうと。
何千人もの観客を前に堂々と自分を魅せているあの人は一体…誰なのだろう。
私の記憶の中の彼とは全く違う。
笑うとぐっと幼くなって年相応に見える笑顔も、無邪気に「ヌナ」と私を呼ぶ彼も、もうここにはいない。
だったらあの頃の私は一体誰を愛して、誰に名前を呼ばれて振り返っていたのだろうかと。
そう、思い返さずにはいられなかった。





* * * *






「…決まらなかったよ、デビュー」
そう言って電話の向こうから聞こえる彼の声は、悔しさを押し込めたように静かに私の耳に届いた。
「…そっか」
私はそんな彼にかけてあげる言葉が見つからず、ただ頷くだけしかできなった。
「でも、不思議だけど何かほっとした」
その彼の言葉を聞いて私の方が堪えていた涙が溢れ出した。それは一度流れてしまうともう自分でも止めることはできない。
「…っハンビン…」
彼の名前を呼ぶ事しかできず、気の利いた言葉もかけてあげられない自分がどうしようもなくて、情けなかった。
「ヌナ、泣いてる?」
「…っ泣いて…ないよ」
そう嘘をついてみても、私の声は明らかに震えていて誰がどう聞いても泣いていると思っただろう。
「俺の分までヌナが泣いてくれるんだね」
優しい声が耳の中に広がる。
その声を聞いて思う。
彼も一歩ずつ大人になっているんだ、と。
彼と出会ってから、どれくらいの時が流れただろう。長いようで短い時間が私の目の前を急ぎ足で通り過ぎていった。




* * * *



出会った頃のハンビンは少年とも青年ともいえるその中間を行ったり来たりしているようなそんな雰囲気を漂わせた不思議な男の子だった。
彼は私がよく立ち寄る公園のベンチに座っていていつも何をする訳でもなく、ただずっと遠くを見つめていた。彼のその視線の先に一体何があるのだろうかと気になっていた私はある日ふと彼の隣に座り声をかけた。
「こんばんは」
隣に座った私に気付くと少し驚いた表情を見せ、視線を泳がせてから控えめに私の方へと顔を向けた。
「あ…こんばんは」
そう返事をすると彼はすぐにまた、元の場所に視線を戻した。それでも私はめげる事なく、隣に座る彼を見つめた。
すっと鼻筋の通った高い鼻に、一重だけれど大きな瞳。それを綺麗に縁取る長い睫毛。ふっくらと厚みのある唇。

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街頭の灯りの下、近くではっきりと見つめる彼の横顔はとても新鮮でとても、美しかった。
「よく、ここにいるよね」
「え?」
その大きな瞳に私の姿が映った。
「何をそんなに見てるの?」
彼は暫く沈黙し、一度遠くを見つめなおすと再び私と視線を合わせた。
「…何を見ているのか…自分でもよく解りません」
そう言って笑った彼の笑顔はどこか悲しげだった。まだ少年とも言えそうな子がどうしてこんな風に笑うのか…まるで、これから先の未来に怯えているかのようなそんな表情を見せるのか、私はもっと彼の事を知りたいと思った。彼をこんな風に笑わせるものは一体何なのか知りたかった。
「僕は、何を見てると思いますか?」
ふいに質問され、彼の視線がまっすぐと私を見つめている。一点の曇りもないその瞳で見つめている一方で、やっぱり彼の瞳はどこか、悲しげで私の出すであろうその答えに縋っているようにも見えた。私はその自分に向けられた瞳をじっと見つめ返すと思いのままに目の前の彼へと言葉を返した。
「未来じゃないの?…あなたはよくここにいるけど…何だか風景を眺めているようには感じないし、それにあなたのまっすぐな視線はきっとここじゃない、どこかの遠くの未来を見つめてる気がす…」
つらつらと自分の口から溢れ出る言葉に私は急に恥ずかしくなり顔を俯かせた。
だっていい歳した大人が"何を見てるか"と訊ねられて"未来"なんて答え、痛過ぎて笑われるに決まってる。私は恐る恐る顔を上げ視線をゆっくりと彼の方へと向けた。
彼は驚いた様に目を開きじっと私を見つめていた。
「未来…うん、そうだな…」
彼はそうボソボソと呟いたと思うと表情を変え、まるでぱっと野花が咲いた様な可愛らしい笑顔を見せた。
「ありがとうございます、なんか出来る様な気がして来ました!」
そう言うと彼は勢いよく立ち上がり歩き始めた。私はそんな彼の姿を見て呆気にとられ、歩いていくその後ろ姿をただ呆然と見つめる事しか出来ずにいた。
「あ!」
彼はその声と共に振り向くと口元に右手を持っていった。そして少し恥ずかしげに唇を噛み、その瞳をキョロキョロと泳がせていた。
私はそんな彼を見て自然と顔が綻んでいく。
「どうしたの?」
少し離れた所にいる彼に大きな声で尋ねると彼の視線と私の視線が重なった。
「また、会えますか?」
真剣な表情で尋ねる彼を見て私の心臓は大きく脈打った。
「もちろん」
そう答えると彼はにっこりと笑みを浮かべて大きくこちらに手を振り、次第にその後ろ姿を小さくしていった。
私はまるで早鐘のように鳴り続ける自分の胸を押さえて小さくなっていく彼の姿を見送った。

彼とはそれからも何度もこの公園の話をした。
彼の事や他愛もないその日の出来事、それに私の事。
彼の名前はキムハンビン。
私よりも年下で、今は音楽事務所で練習生をしているらしく毎日のその殆どをデビューする為のダンスの練習や曲作りに費やしていると話してくれた。
そんな話を聞いても私には想像もつかない世界で目の前で無邪気に笑うハンビンを見ると余計に現実味の無い話に思えた。
彼は私の事もとても知りたがった。
そのハンビンの私への興味が嬉しくて、前のめりになって聞いてくれる姿が無性に可愛くて私は頬を緩ませながら自分の事を話していった。
「そっか、美希さんは日本の人なんだね」
そう言ってハンビンはこちらを見て柔らかく微笑んでいた。
私は不思議そうに視線を向け、まだ微笑んでいる彼にその疑問を投げかけた。
「何で笑ってるの?」
「あぁ、悪く捉えないで…」
ハンビンは気まずそうに人差し指で頬を小さく掻くと視線だけを私に合わせておずおずと言葉を選びながら話した。
「…韓国語が…少し、その…あまり…上手じゃなかった…から、やっぱりなって…」
あまりにも彼の言葉が辿々しくて私は思わず声を上げて笑ってしまった。
そんな私の様子を見てもハンビンはまだ気難しそうに眉間に皺を寄せていた。私は隣に座る彼の肩をバシバシと叩きながら俯いている彼の顔を覗き込んだ。
「はっきり言っていいのに、下手だって」
私が笑いながらそう言うとハンビンは私に叩かれていた肩を摩りながら遠慮がちに笑って見せた。

この時の私はこんな風に笑っているハンビンを見て、いくら音楽事務所に所属しているとはいえ、やはり他の同年代の子たちと何ら変わりなく少し恥ずかしがり屋のただの18歳の男の子にしか思えなかった。

だけど私はこれから嫌という程、知る事になる。彼がただの男の子なんかじゃないという事を。
それは、世間にとっても…
そして、私自身にとっても…




M.U.P       第1話            fin.