if you 第10話 | BIGBANG ジヨン中心の何でもありの妄想日記*..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .

BIGBANG ジヨン中心の何でもありの妄想日記*..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .

妄想小説あり、イラストあり、日常あり、ダイエットありの、何でもありの何でも日記っ♪(´ε` )

楽しみましょう*\(^o^)/*

おそらく、ほぼ小説w





閉じた瞼の外に眩しい光を感じて、俺はゆっくりと瞳を開けた。
体を起こして光の方へと視線を送る。
閉じたカーテンの隙間から外の世界の光がこちらへと漏れ出していた。
俺は眉根を寄せ「眩し…」と呟くと、自分の頭の違和感に眉をピクリと動かした。

「…痛てぇ」

片手を額の前へ持って行き親指と中指で両方のこめかみを押さえて、ギュッと瞳を閉じた。

「大丈夫?」

俺は勢いよく声がした方へと頭を動かした。
このみ?…そうだ!このみ!
俺はどうもあの時、あのまま眠ってしまったらしい。勢いよく動かしたせいで俺の頭の中はクラクラと回り始めた。
このみは「はい、どうぞ」と俺によく冷えたミネラルウォーターを差し出した。

「昨日、ジヨン眠っちゃってテソン君とスンちゃんがベッドまで運んでくれたんだよ」

もうスンちゃん呼びなんだ。
あいつウゼェな。なんて考えながら俺は差し出された水を受け取り、勢いよく喉の奥まで流し込み「そうだったんだ、ゴメンな」とこのみに謝った。
このみは「全然、いいよ」と笑顔で答えて、濡れた髪をタオルでわしゃわしゃと拭いていた。

「ねぇ何で髪濡れテルノ?それに浴衣ダシ」

「うん、温泉入ったから♫」

機嫌よく「気持ち良かったぁ」と答えるこのみを見て俺は再び枕に頭を沈めた。このみは「どうしたの?頭痛いの?」なんて言いながら心配そうに俺に近付いて来る。
マジで、あり得ない。
せっかくこのみと泊りがけで来たのに、温泉一緒に入りたかったし。まぁ全力で拒否されるだろうけど……それに俺はこのみの寝顔すらまだ一度も見たことが無い。

俺はこのみの腕を掴み強引に自分へと引き寄せた。このみは大きくバランスを崩してベッドで仰向けになっている俺の上に倒れ込んだ。俺の胸の上で「イタタ…」と言いながら体勢を起こそうする彼女を俺から離すまいとこのみの背中に手をまわしてグッと力を込め、彼女の首筋に顔を埋める。

「ちょ…ジヨン!」

このみの白い肌は見る見るうちに赤く染まった。それに風呂上がりのこのみの肌から、ふわりと石けんの香りがして俺の欲望を掻き立てた。俺は、はだけた浴衣の隙間から伸びるこのみの太ももに手を添えてゆっくりと撫でていった。

「ジヨン…やだ」

そう言って小さく呟くこのみの声すらも今の俺にとっては理性を乱す材料の一つにしかならなかった。俺は体勢を変えてこのみの上に被さった。このみは潤んだ瞳で俺を見つめて「…やめてっ…」と囁いた。
頭の中で理性が弾ける音がした。
俺は噛み付くようにこのみの唇を犯した。
時折、苦しそうに聞こえるこのみの声も、吐息もこのみの全てが俺を煽っていく。

俺は浴衣の帯に手を伸ばし、唇を離した。

「…私、風邪ひいちゃうよ?いいの?」

そう言ってこのみは帯に手をかけている俺の手を押さえた。
俺は一瞬だけ動きを止めてこのみを見た。
その潤んだ瞳で俺をじっと見つめている。

「あぁ…ダメ」

俺は呻くように声をあげてこのみの顔の横に頭を沈めた。
頬にあたるこのみの髪はまだ濡れていて、確かに冷たくなっていた。
風邪は引かせたくない。
このみはまるで子供をあやすように俺の頭を撫でた。

「近くに散歩道があるんだって、今の季節色んな花が咲いてるって中居さんが教えてくれたの、行ってみない?」

俺は小さく「行く」と呟いてこのみの濡れて冷たくなった髪をゆっくりと撫でた。




それから俺たちは昼食をとってこのみの言っていた場所へと足を運んだ。
外は天気も良くて、時折草花を揺らす風が俺の頬にあたりとても心地良かった。平日の午後という事もあり辺りには誰もいない、俺とこのみの二人だけだ。

俺はサングラスもマスクも帽子すら被らず歩いている。こんな事は久しぶりだ。
このみは俺より少しだけ先を歩き、目に映る色々な花たちを自分のスマホのカメラに収めている。俺はそんなこのみをお気に入りのカメラ越しに覗きシャッターを押した。
このみも時々、俺にスマホをむけて俺を写すと「ジヨンはやっぱり写り映えするなぁ」なんて言いながら笑った。
そんな普通の恋人同士のような時間を過ごした。俺の胸の中にじわりと温かな感情が溢れる。
俺は辺り一面に咲いている、色とりどりの花々に目を向けた。本当に綺麗だ。来て良かった、そう思いながらカメラを構えた。
ふと、足下を見ると小さな白い花を見つけた。デイジーだ。
俺は屈んでその小さな花を見つめた。
この花を見ると別れた彼女を思い出す。
辛い事も苦しい事も確かにあったけど…だけど確かに幸せだと感じる日々もあったんだ。
でも、気持ちのすれ違いを正す事が出来なくて向き合うのが怖くて俺は逃げたんだ。
ごめんな…全てを君のせいにはしないよ。

俺は目の前で静かに咲くこの白い花にそっと触れた。

「かわいい花だね」

このみは俺の横に立ち屈んでいた俺を見下ろし微笑んでいた。

まさか自分があの頃の事や彼女の事をこんな風に思える日が来るんなんて考えてもいなかった。こんな優しい気持ちで思い返せる日が来るんなんて…きっとこのみに出逢えたから。このみは俺の心を温かなもので満たしてくれる。

俺は立ち上がり、このみの小さな体をそっと抱きしめ「ありがとう」と呟いた。

「かわいいって花に言ったんだよ?ジヨンじゃないよ」

少し照れたように話すこのみに俺は「わかってるよ」と答え、抱いている腕に力を込めた。このみはまるで何かを察したように俺の背中に手をまわしてぽんぽんと優しく叩いてくれた。

「俺も花にかわいいって言いたい」

「うん、言っていいよ」

俺は少し体を離してこのみの瞳を見つめた。

「かわいい」

このみは耳まで真っ赤になって「何言ってるの、急に!」と慌てて俺から視線を逸らした。

「俺の花。スゴイかわいい」

俺が言葉を続けるとこのみは「やめてよ」と言って恥ずかしそうに笑った。
そんなこのみの笑顔を見て俺は心に広がる温かな幸せの形を想像するようにそっと瞳を閉じる。
俺は閉じた瞼の上に冷たい物が降ってきたのを感じた。

「あ、雨だ」

俺は目を開けてこのみを見ると両手を胸の前に出して手のひらを上に向け空を見上げていた。最初はパラパラと静かに降ってきた雨も次第に雨足も強くなり俺たち二人を濡らしていった。
俺はこのみが少しでも濡れないように自分の上着をこのみの頭に被せて二人で旅館まで走った。すると途中でこのみは足を止めた。俺は不思議に思って振り返るとこのみはにっこりと笑っていた。

「濡れちゃうよ?」

そう言うとこのみはコクリと頷いて俺を見ている。

「こんな、MVあったよね?」

このみは微笑みながら俺に向けて左手を伸ばしてきた。
俺はクスリと笑って伸ばしてきた左手を自分の右手て掴み、もう片方の手をこのみの腰に添えた。

「let's not fall in love」

そして、俺はその歌を口ずさんだ。
俺の歌に合わせて俺たちは体を揺らした。
雨の中、歌を歌って体を揺らす。
他人が見れば、滑稽に映るだろう。
だけど今は誰もいない。



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聴こえてくるのは地面に打ち付ける雨の音と俺の歌声だけ。
俺たちは体を揺らした。
雨の中咲き乱れる花に囲まれて、まるでこの世界には俺とこのみしかいないかのように…







if you 第10話                      fin.