if you 第9話 | BIGBANG ジヨン中心の何でもありの妄想日記*..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .

BIGBANG ジヨン中心の何でもありの妄想日記*..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .

妄想小説あり、イラストあり、日常あり、ダイエットありの、何でもありの何でも日記っ♪(´ε` )

楽しみましょう*\(^o^)/*

おそらく、ほぼ小説w





俺は車を降りてこのみの肩を抱き寄せた。
このみは俺の腰に手をまわして服の裾を掴んでいた。

「凄い!おっきいーねぇ‼︎」

旅館の外観を眺めてこのみは声を上げた。
都心を少し離れた場所と夜だという事もあり辺りは静かで暗闇の中に静かに照らされた外観は俺の目にはとても幻想的に映った。
それから俺達は厳かな雰囲気の門をくぐり玄関まで少し歩いて、広々とした屋内に入った。そこで荷物を預け品のいい女将さんから挨拶を受けて部屋に通された。
部屋に入るとそこは和室で木と畳の独特な香りがした。俺は鼻を少し空気に当ててゆっくりと匂いを嗅いだ。その様子を見ていた中居さんが「畳替えたばかりなんですよ、気になりますか?」と尋ねてきたので俺は「大丈夫、とてもいい匂い」と答えて笑った。中居さんはひと通り説明をして、何かあったら声をかけてくださいと言い残し部屋を去った。
このみは「ありがとうございます」と笑顔で答えていた。俺たちは二人で使うには広すぎる机を挟んで向き合って座っていたがこのみはそっと立ち上がり俺の隣に立って腕を掴んだ。

「お庭見てみよ」

恐らく探検なるものをしたくてウズウズしてたのだろう。このみは目をキラキラと輝かせていた。こんな時俺と同い年とは思えなくなる。まるで子供のように俺の手を引いて縁側へ続く障子を開けた。
庭には砂利が敷き詰められまるで計算され尽くされているような緑がこの小さな世界を飾り立てていた。このみに目を向ければ「きれい」と言って微笑んでいた。

それからこのみは奥にある部屋も見ようとまた俺の手を引いた。
さっきのだだっ広い机の部屋の襖を開けるとそこには広すぎる空間とその空間で異様な存在感を示すキングサイズのベッドが置かれていた。俺が布団で寝るのは苦手だと伝えていたので恐らくこの部屋を用意してくれたのだろう。
ベッドが一つだけという所も文句無しだ。
俺はニヤリと口角を上げてこのみに後ろから抱きついた。このみのお腹の前でしっかりと両手を繋ぎ逃がさない。

「ベッド一つしかないね」

「なんで⁉︎ベッド一つなの⁉︎てか、こんな和な感じなのに何でベッド⁉︎」

このみは声を荒げて矢継ぎ早に質問を投げかける。

「俺が布団が苦手って伝えたんだ」

このみは俺の腕の中で向きを変え俺を見上げた。

「私、お布団で寝る‼︎」

「ダメだよ、そんなワガママ言ったら」

このみはグッと唇を噛んでんん〜と唸り声を上げている。その駄々をこねる子供のような仕草が無性に可愛くて俺は部屋の高い天井を見上げ、声を出して笑ってしまった。




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ここみは膨れっ面のまま「何で笑うの⁉︎」と俺は怒られてしまった。
このみは何とかこの状況を打破しようと俺の腕の中で次々と言い訳を並べてきた。
だけど、俺も負けじとその言い訳をはね返し続ける。

「私、すっっごい寝相が悪いよ‼︎」

「大丈夫、ベッド広いカラ♫」

「私、イビキ凄いよ‼︎めっちゃ煩いの‼︎」

「大丈夫、俺寝ちゃったら分かんないし♫」

「あ!あと…」

これでもかとまだ、言い訳を続けようとするこのみの唇をおれは人差し指でそっと押さえて、このみの腰をグッと俺に引き寄せた。じっとこのみの瞳を見つめていつもより少しだけ低く声を出した。

「……わかるダロ?俺、ずっと我慢してたし。そろそろ限界ダヨ?」

そう言ってこのみの腰から背中にかけてゆっくりと俺は指を這わせた。
このみは観念したのか俺の鎖骨の辺りに頭をつけると「もう…」と力なさげに言葉を吐いた。
さあ、これからという時だった。聞き覚えのある声が遠くの方から聞こえた。俺は耳がいい。その声は次第に近づいて来てこの部屋の前で止まった。

「ヒョーーーーン」

明るく元気の良い声が廊下に響く。
勿論、この奥の部屋までばっちり聞こえた。このみが誰か来たよ?と声をかけると俺は暫く目を閉じてゆっくりと息を吐いた後、このみに「ちょっと出てくるね」と告げて部屋の入口へと足を運んだ。
扉を開けると浴衣姿の4人がみんなそれぞれ酒瓶を片手に横一列に並んでいた。
タッピョンがニヤリと俺に笑いかける

「呑むぞ♫」

俺が「は?」と眉間にしわを寄せるとわざとらしく日本語で話しかけてきた

「かわい子ちゃん来てると
聞きマシタヨ〜♫」

もう酔ってんのかよ…
本当どこのオヤジだ。
つか、そんな日本語どこで覚えたんだよ。

俺は頭を抱えて大きなため息を吐いた
そして、メンバーはそんな俺の事なんてお構い無しにお邪魔しまーすとノリノリで部屋へと入っていく。
最後にヨンベが顔の前に手を持って行き申し訳なさそうに「ミアネ」と言いながら俺の前を通って行った。

「いや、BIGBANG 暇人かよっ‼︎」

俺は悪態を吐きながらこのみと、そして招かれざる客がいる部屋へと戻って行った。
このみは最初だけは驚いた顔をしていたが、幾ら相手が世界中に名の知れたBIGBANGであっても物怖じしない事と人見知りしない彼女の性格でみんなと一気に打ち解けていた。
楽しそうにお酒を呑む彼女を見て俺は胸が温かくなるのを感じ自分のグラスに注がれているお酒を口に運んだ。

「このみはかわい子ちゃんデスネ〜♫」

そう言ってタッピョンはこのみの頭に手を置いでグリグリと撫でまわした。俺は思わず「おい!」と言いながら立ち上がりタッピョンの隣に座っていたこのみの腕を掴み無理矢理、俺の隣に連れてきた。
タッピョンはニヤニヤと俺を見て笑い、他のメンバーもニヤける口元を俺に見られまいと隠そうとしていた。
俺は頬づえをついてグラスに浮かぶ氷をクルクルと箸でかき混ぜた。

「ヤキモチ?」

隣に座ったこのみが少し嬉しそうな顔で俺の顔を覗き込んできた。
俺は「うるせ」と言いながらこのみの頬に水滴のついたグラスを押し当てた。このみは「冷たっ」と肩をピクリと動かした。俺は片方の口角をキュッとあげて「ザマァミロ」舌先を出した。

それから酒も進み、各々が各々の行動に移していた。タッピョンとヨンベは眠いから部屋に戻ると立ち上がりタッピョンは「お邪魔シマシタ〜」とフラフラな足取りで陽気に帰って行った。ヨンベはそっと俺に近づいて耳元で
「いい子だな」と呟いて俺に笑いかけて部屋を後にした。
このみは俺の隣に座っていて、俺と逆隣りに座っていたテソンとその隣に座っているスンリと楽しげに話している。
俺はそんな様子を見ながら一人、酒を口に運んだ。
普段そんなに酔わないのに何だか今日はフワフワと気持ちが良かった。たぶん、隣にこのみがいるからだ、そうに違いないと考えながら俺はゴロンと後ろに寝そべった。
寝そべった俺に気付いたこのみは「どうしたの?酔っちゃった?」と俺の方に体を向けた。俺はこのみの柔らかな太ももに頭を乗せこのみのお腹の辺りを抱き寄せた。

「ううん、酔ってなぁーい」

少し甘えたような声で答えるとこのみは「そうなの?」と言いながら俺の髪を優しく撫でてくれた。
その優しく触れる手がとても心地よくて俺は静かに瞼を閉じ、このみの匂いを感じながらそっと意識を手放した。








if you 第9話                            fin.