if you 第7話 | BIGBANG ジヨン中心の何でもありの妄想日記*..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .

BIGBANG ジヨン中心の何でもありの妄想日記*..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .

妄想小説あり、イラストあり、日常あり、ダイエットありの、何でもありの何でも日記っ♪(´ε` )

楽しみましょう*\(^o^)/*

おそらく、ほぼ小説w







俺は車の中から流れる街並みを見送りながら耳元にあてた携帯へと話しかける。

「ウン、今空港に向かってるトコ」

そう言うと電話口で「気をつけて、帰ってね」と彼女は少し寂しそうに話した。
俺も寂しいはずなのにこのみの寂しげな声を聞くと彼女も俺と離れる事を寂しいと感じてくれているんだと思い、何だか無性に嬉しくなった。

「大丈夫、またスグ来るよ」

そう言って俺は電話を切った。
恐らくさっきまでの電話を聞いていたんだろう、スンリが恐る恐る尋ねてきた。

「ジヨンヒョン、今のって…」

「彼女」

俺は簡潔に答えた。
スンリは両手を自分の両頬に添えてひゃあ、ひゃあとはしゃぎ始めた。不思議とそんなスンリに腹も立たなかった。
ただ、本当にバカだなと思った。
うん、バカだなって。いや、本当にバカだなって。

「…日本人か?」

そんなスンリをよそにヨンベが真剣な表情で尋ねてきた。俺が「そうだよ」と答えるとヨンベは大きく息を吸って、吐いた。

ヨンベは恐らく俺を心配してくれている。
俺は一度、日本人というか日本を拠点に活動している子と付き合ったことがあった。あの頃の俺はまだ子供で、彼女を愛するあまり周りの事が見えていなかった。
そして、彼女自身の事も。最初はお互いがお互いだけを見つめていた、だけど芸能界は華やかな世界だ。彼女は
クォン ジヨンよりもG-dragonを求めるようになっていった。
俺はそれが苦しくて、辛かった。
何度も離れたり戻ったりを繰り返して、結局俺たちは別れる事を選んだ。
それでも、彼女への想いはすぐには消えずに俺は荒れた。

そんな俺を時には優しく、時には怒鳴りながら、支えて心配してくれたのは他の誰でもないヨンベだった。
ヨンベは堕ちていく俺の腕を離さないでいてくれた。彼以上の友人は他にいない。

「ジヨンがまた誰かを好きになれたのは俺も凄く嬉しく思うよ、でも…大丈夫なのか?」

ヨンベは俺に尋ねる。
俺は「大丈夫だ」と言ってヨンベをみた。

ヨンベは静かに目を閉じて、そしてゆっくりと開き俺の方を見据えた。

「俺たちは普通の恋愛はできない」

「んなこと!わかってるよ!」

俺は思わず声を荒げた。

そんな事わかってる。
俺たちは、俺たちの恋愛は俺たちのものであって俺たちのものじゃない。

それには前の座席でひゃあ、ひゃあとはしゃいでいたスンリも動きを止めた。
ヨンベは言葉を続けた。

「わかってるよ。俺たちは、な。でもその子は?本当に大丈夫なのか?」



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俺は何も言えず俯いた。

「ヨンベヒョン、ジヨンヒョンの事が心配なんだよね。その彼女の事も」

そう言いながらテソンが後ろからひょっこりと顔を出した。

「ヨンベヒョン優しいから。だけど、きっと大丈夫だよ」

テソンはにっこりとヨンベに笑いかけた。だが、ヨンベはその笑顔に応える事なく厳しい表情のままテソンを見た。

「大丈夫って言い切れるか?きっとこれから沢山、苦労するんだぞ!幸せな結末なんてあるのか⁉︎」

ヨンベの言葉は俺の胸をグサリと刺した。
幸せな結末。
このみに想いを抱いた日から何度も何度も考えた。
そして、何度も何度も考えるのをやめた。
わかってるんだ。
いつか、俺と付き合う事でこのみを
ボロボロに傷つけてしまうかもしれない。沢山、泣かせてしまうかもしれない。
だけど、それでも側にいて欲しいって願った。
このみを俺だけのものにしたかった。
これは俺のエゴだ。

俺は何も言えず俯いた。

「うん、だけど苦労が多い事と不幸な事は違うから」

俺はまた、テソンの言葉に救われた。

「……ありがとう、テソン」

テソンはいつものくしゃくしゃな笑顔で、へへっと笑い「よかったね、おめでとう」と言ってくれた。

「ごめん、きつく言い過ぎた…ただ、お前の事が心配で」

ヨンベは決まりが悪そうに俺の方を見て言った。

「いいよ、きっと俺がヨンベの立場でもそんな風に言ってたし」

そう言うと少しだけ笑って「よかったな」と言ってくれた。

俺は本当に恵まれている。
こんなに心から心配してくれる友がいて、こんな情け無い俺をヒョンと呼んで、励ましてくれる弟たちがいて、まぁバカだなって思うやつもいるけど。
でも、本当に感謝してる。

俺は車中を見渡した。
恐らくこの会話を聞いていたはずなのに話の中に入って来なかったタッピョンに視線を送った。
タッピョンは静かに寝息を立て、車が揺れるたびにグラングランとその大きな頭を傾けていた。
タッピョンらしいと俺は密かに笑った。
あとで、ゆっくり話そう。
そう思いながら俺はサングラス越しに流れる街並みを見つめた。
そして、このみの事を想った。

ヨンベの言ってる事は正しい。
普通の恋愛はできない。
このみを傷つけて、泣かせるかもしれない。
だけど、もう俺はこんなにもこのみを好きにしまった。側にいたいと…側にいて欲しいと願ってしまった。
もう、離してやる事なんてできない。
逢いたい。
今すぐにでも逢ってその小さな体を
ただ、抱きしめたい。
……だから、俺を許して欲しい。
このみを好きになってしまった俺を…
側にいたいと願ってしまった俺を…
どうか、許して欲しい。

俺は徐ろに携帯を手に取り、無理だと解っているのに、このみにラインを送った。




(ごめん……逢いたい)






if you第7話                           fin.