if you 第3話 | BIGBANG ジヨン中心の何でもありの妄想日記*..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .

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妄想小説あり、イラストあり、日常あり、ダイエットありの、何でもありの何でも日記っ♪(´ε` )

楽しみましょう*\(^o^)/*

おそらく、ほぼ小説w




「そうなの?もう帰っちゃうんだ」

電話口で、このみは少し残念そうに俺に答えた。
そう、ツアーを終えた俺たちは自国の韓国に帰らなくてはいけない。
あれから、幾度となくこのみとは連絡を取り合った。取り合ったと言っても発信はいつも俺からだったけど…
少し寂しい気もするが、俺はそれでも構わなかった。
時間が合えば真夜中の食事にも出かけたりもした。

「結構、長い滞在だったんだね!どう?日本は楽しかった?」

「うん、タノシカッタヨ」

そう答えながら、心苦しくなった。

俺はまだ、言っていない。
自分がBIGBANEのG-dragonだと。
以前、仕事は?と聞かれた時に音楽関係だとだけ答えた。
このみはそうなんだ、と言っていたがそれからしつこくは聞いて来なかった。

俺は内心ほっとしたのと同時に、胸に鉛のようなものが詰まるのを感じた。

言いたい。

言えない。

二つの感情が俺の中でぶつかり合う。
俺は怖かった。正体を明かすことで、このみとの関係が何か変わってしまうんじゃないか。今までの女たちのようにクォン ジヨンよりもG-dragonを求めらるんじゃないか。
そう思うと、怖かった。

GDは、強い。

周りはよく、俺を見てそう言う。

そうじゃない。

クォン ジヨンは、弱いよ。

だから唯一、弱い俺でいられる場所を
クォン ジヨンという唯の男でいられる場所を失いたくない。

そんな気持ちが、邪魔をして
なかなかこのみに真実を伝えられないでいた。

「このみ…」

板挟みの気持ちの中で、俺はこのみの名前を呼んだ。

このみはそれに優しく、うん?何?と答える。
沈黙が二人の間に流れた。

「ジヨン?」

当たり前のように俺の名前を呼んでくれるようになったこのみ。
このみは少し心配そうにどうしたの?と問いかけてきた。

「…いや、明日は予定アル?」

「予定は特にないよ、どうして?」

携帯を握る手に自然と力が入る。

「……明日、会えない?」

 少しの間、沈黙が続いた。

「うん、大丈夫だよ」

俺の声の変化に気付いたのか、このみもゆっくりと真剣な声で答えた。
明日、告げよう。
俺自身の事と、俺の気持ちを。

日本に滞在してる間、このみに出逢って連絡を取り合って少しずつこのみの事を知っていった。
優しくて、よく笑う。
笑うと実年齢より幼くなる。
だけど、それがちょっと嫌で。
そこを褒められると頬が膨らむ。
そして意外と、察しが良い。

このみと会うたびに、俺の中でこのみへの好きが積もっていった。

この想いを大切にしたい。
俺の宝箱の中にしまって鍵をかけ、大切に大切にしていきたい。
でも、それじゃダメなんだ。

それに俺はこのみの事をたくさん知れた。
だって、彼女は常に正直だったから。
俺に対して正直に向き合って、笑ってくれた。それに引きかえ俺は、臆病者でこのみが離れていくのが怖くて嘘をついて、誤魔化した。
だけど、本当はもっと俺の事も知ってほしい。俺はクォン ジヨンであると同時にG-dragonなんだ。俺自身がどんなに苦しくても、辛くてもそれは変えられない、紛れもない真実なんだ。

俺は韓国、このみは日本。
あの雨の夜出逢えたことはほとんど奇跡に近いはずだ。
だったら、無駄になんかしたくない。
このみにとっての思い出になんかなりたくない。このみと一緒に思い出を作っていきたい。

俺は心を決めた。

「じゃあ、明日オレと逢ッテクレル?」

「うん、じゃあ明日」

それから俺は時間と場所は連絡すると告げて電話を切った。
携帯を握りしめてた手が震えていた。
強く握りしめ過ぎてたのか、それとももっと別の理由なのか。
もう、俺にはよくわからなかった。

でも、一つだけ明確なことはある。

俺はこのみが好きだ。

俺は震えている手をもう片方の手で包み、それを自分の口元に持っていった。




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「このみ」

このままそばにいて欲しい。
俺は囁いた名前を自分の手の中に閉じ込め瞳を閉じた。
瞼の裏に焼き付いているこのみの笑顔を抱きしめてその日、俺は眠りについた。






if you 第3話   
          
                                                    fin.