夢の夢こそ… | 舞台は命のみなもと 桂のブログ

舞台は命のみなもと 桂のブログ

三度の飯より生の舞台が好き。劇場で開幕を待つ間の高揚感がたまりません。心揺さぶる演者の芸に酔いしれながら客席に身を置く喜びを味わっています。舞台は演者とお客の魂と魂の交流。私の命のみなもとです。

この世の名残り、夜も名残り。

死にに行く身をたとふれば

あだしが原の道の霜。

一足づつに消えて行く

夢の夢こそあはれなれ。






女は目を閉ぢ悪びれず

「早う殺し  殺して」と、

覚悟の顔の美しさ。




南無阿弥陀仏を迎へにて、

哀れこの世の暇乞ひ。

長き夢路を曾根崎の森の、

雫と散りにけり。



         曽根崎心中  天神森の段。

                                        近松門左衛門


お初・徳兵衛の道行を思わせる紅の衣装に紫天神。

艷なる姿に春の香を添えて、夢之丞さんが舞うは「道行華」

観劇の友の皆さまに心よりの感謝を。

春はそこまで。

心も惑う木の芽どき。

どなたさまもおいといなさいますよう。




立命館大学アートリサーチセンター Art Wiki「曽根崎心中 」


横堀温泉  紫雲閣