やっと起きてきた子に
「遅刻してもいいから、学校に行ったら?」
すると、返ってきた言葉が、
「遅刻するくらいなら、休む!」
えっ?
「いやいや、もう十分休んでますけど?」
思わずこんなツッコミを入れたくなりますよね(笑)。
でも、子どもの心理は、
意外と筋が通っていることがあるんですよ。
不登校は、子どものSOS
心理相談室「太陽」の長島房子です。
「不登校やひきこもりを考えよう会」の様子
「遅刻するくらいなら休む」の本当の意味
「学校に行きたくない」というより、「途中から学校に入るのが嫌」
たとえば、
2時間目から行くとします。
親は、休むよりも
「2時間目からでも行った方がいいじゃない」
と思いますよね?
ところが子どもの頭の中では
「みんなは1時間目からいる」
「途中から教室に入ったら注目される」
「なんて思われるだろう?」
と、どんどん話が大きくなっていきます。
そして最後に、
「もういい!今日は休む!」
親からすると
「そこまで考えなくてもいいでしょ💢」
と思いますが、
本人にとっては、そこまで考えてしまうんです。
「もう十分休んでいるのに、なぜ遅刻はイヤなの?」
本人は、どれくらい休んだかの時間感覚はない場合が多いんです。
回復した子に聞いても、
覚えていないことが多いです。
(-_-;)
「休むこと」と「遅刻して行くこと」は、子どもの心理の中では別物
?
休むなら、「今日は行かない」と決めてしまえば終わり。
でも遅刻して行くとなると、
「遅れている自分を人前に出す」
ことになります。
完璧主義の強い子や、人からどう見られるかを気にする子にとって、これは結構な大仕事です。
「どうせ行くなら、朝からちゃんと行きたい」
でも、朝からは行けない。
だったら
「最初から行かなかったことにしよう!」
となるわけです。
なんとも不思議な理屈ですが、本人の中では筋が通っています。
もう紅葉している木を見つけました~♪
① 完璧主義――「行くなら、ちゃんと行きたい」
完璧主義の強い子は、学校に行くことを「0か100か」で考えます。
「朝から行く」=100点。
「2時間目から行く」=なんとなく失格。
「途中から行くくらいなら、今日は休んだほうがいい」
となってしまいます。
親からすれば、
「いやいや、60点でも30点でも、行ったほうが0点よりいいでしょ?」
と言いたくなりますよね。
でも本人にとっては、そう簡単じゃありません。
「ちゃんとできない自分」を自分自身が許せない
学校に行けないこと以上に、「できない自分」に傷ついているんですね・・。
② 不安――「途中から入るのが怖い」
もう一つ大きいのが「不安」です。
「教室に入るとき、みんながこっちを見るかもしれない」
「誰かに「なんで遅れてきたの?」と聞かれるかも」
「皆の前で先生に注意されたら、恥ずかしい」
こう考え始めると、たった一歩の「教室に入る」が、ものすごく大きな壁になります。
そこで、
「だったら、もう今日は休もう」
となります。
つまり
不安な状態で学校に入って行くことが怖い
この場合、親が
「遅刻でもいいから行きなさい」と正論を言うと
子どもの中では不安が大きくなります。😨
クルーズ船内のパーティーの様子です~♪
③ 発達特性――「予定どおり」が安心
♣発達特性は関係ありますか?
これは、「可能性はあるけど、それだけでは判断できない」というのが答えです。
たとえば、
・予定変更が苦手
・見通しが立たないと不安になる
・「こうあるべき」というこだわりが強い
・曖昧な状況が苦手
・失敗を極端に嫌がる
・0か100かで考えやすい
といった特徴がもともと強い場合には、発達特性が背景にあることもあります。
ただ、
不登校になってから不安が強くなり、
結果として「遅刻は嫌」というこだわりが強くなったケースもあります。
だから、
「遅刻を嫌がる=発達障害」
と短絡的に考えることはできません。
むしろ大切なのは、
「この子にとって、遅刻の何がそんなに嫌なんだろう?」
ってことです。
親は「行きなさい」より「何がイヤ?」
親にできることがあります。
「遅れて行くのって、何が嫌なの?」
と聞いてみて。
教室に入ること、友達に見られること、
先生に何か言われるのが嫌?なのか。
それとも、
「遅刻して行く自分が嫌」なのか。
ここがわかると、対応も変わります。
親が使える声かけ① まず「わかろうとする」
子どもが「遅刻するなら休む」と言ったとき、
まずは説得しないで
「そっか。遅れて行くのは嫌なんだね」
「途中から行くのって、緊張するよね」
くらいで止めてみましょう。
ここでは
「あなたがそう感じていることはわかったよ」と伝えて。
(-_-;)
親が使える声かけ② 何が怖いのか探る
少し話せそうなら、こんなふうに聞いてみて。
途中から教室に入ること、友達に見られること、先生に何か言われること、
それとも、自分が嫌?
「一番イヤなのは、どれに近い?」
選択肢を出してあげると、言葉にするのが苦手な子でも答えやすくなりますね。
親が使える声かけ③ 「行く・休む」の二択から外す
「保健室までなら行けそう?」
「別室なら行けそう?」
など、「0か100か」ではない選択肢を作ります。
親が使える声かけ④ 「途中からでもOK」を伝える
完璧主義の子には、あえてこんな言葉も役に立ちます。
「途中参加も、立派な参加だよ」
くらいの軽さでいいんです。
親が使える声かけ⑤ 本人に決めてもらう
「どうしたら少し楽に行けそう?」
「今日はどうしたい?」
と、本人に選んでもらう方法もあります。
もちろん、毎回「休む」という答えになることもあるかも。
(-_-;)
それでも、「自分で考えて選ぶ」という経験は大切~
親が使える声かけ⑥ 休むことになったとき
「じゃあ今日は休もう」となったときも、
親が怒りながら
「また休むの?」
と畳みかけてしまうと、子どもはさらに追い詰められます。
そんなときは、
「うんわかった」で十分。
ただし、「休むことを受け入れる=何でも放置する」じゃありません。
家庭内のルールなど、別に考えるべきことはあります。
「学校に行く」を小さくする
たとえば「教室に入るのが怖い」なら、
教室に入らなくても、スモールステップで進めてください。
先生に会うだけ、保健室まで、スクールカウンセラーに相談する、別室で過ごすなど
そんな方法からでいいんです。
つまり、
「学校に行く=朝から最後まで完璧に過ごす」
というルールを、少しずつゆるめてみて。
完璧主義の子には、「ゆるめる練習」がとても大切~
「ちゃんとできなくても大丈夫」を育てて
完璧主義の子に必要なのは、
「遅れても大丈夫」
「途中からでも大丈夫」
「今日は少しだけでも大丈夫」
「失敗しても、人生は終わらない(笑)」
という経験を増やしていってね。
「遅刻するなら休む」という言葉を聞いたとき、親はつい
「そんなのおかしいでしょ💢」
と思ってしまいます。
でも、その「おかしな行動」の中には、
「失敗したくない」
「恥ずかしい思いをしたくない」
「不安になりたくない」
という、子どもなりの「自分を守る方法」が隠れています。
♡私が伝えたかったこと
「遅刻するくらいなら休む」という言葉を、
『この子は何を怖がっているんだろう?』という耳で聞いてみてください。
親の「なんで?」が少しずつ「そういうことだったのね」に変わっていきます。
そして、
その「そういうことだったのね」が、
子どもにとっては、「自分のことをわかってもらえた」という安心につながると思います。
親が心から理解してくれたと感じたとき、初めて子どもは動き出します!
我が家の場合は、どうすればいいのかな?
と迷われる場合は、お気軽にご相談ください。
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