「がたごと がたごと」は、内田麟太郎さん作、西村繁男さん絵で、1999年に出版されました。詩人・童話作家の内田さんは1941年生まれ、現在、80歳です。西村さんは1947年生まれ、奥様もお嬢さんも絵本作家、現在74歳です。

 

お2人は何冊か絵本を共作されています。わたしは「がたごと がたごと」は、1人の方の作・絵だと思い込んでいました。それくらい内容と絵がぴったりです。2人は本当に気が合っていらっしゃるのでしょう。

 

 

お客が乗ります。ぞろぞろ、ぞろぞろーで始まる、魅力的なページ。

 

 

 

がたごと がたごと

 

 

 

がたごと がたごと

 

 

 

お客が降ります。ぞろぞろ ぞろぞろ

 

 

 

言葉はこれだけ、電車にお客様が乗って、降りてを繰り返していきます。しかし、降りるときに、お客様たちはもうタダの人間ではなくなっています。それが面白くて、ページを戻したり、まためくったりします。他にもよく見ると、いろいろ隠さた秘密のある絵本なのです。

 

今日は、これ以上、写真を載せるのは止めようと思います。載せたら、福袋の中味を暴露してしまうみたいな気がするからです・・・・・と、夜にブログをアップしたときは思いましたが、この絵本の魅力は、写真を載せることで消えたりしない。実際に見たくなる絵本だと思い直し、続きを載せますね。

 

 

次の駅で、またお客様が電車に乗り込みます。

 

 

 

周りもときどき幻想的な世界に変わります。

 

 

 

かと思うと、普通の町。わたし達も電車に乗っていると、非日常の世界に連れて行かれることがあるかもと思えてきます。

 

 

 

わたし達も電車に乗っていると、非日常の世界に連れて行かれることがあるかもと思えてきます。

 

 

 

降りるお客様たちも、いよいよシュールです。

 

 

 

今日、電車に乗り合わせた人達は、本当に人間ですか?・・・と思えてくるから楽しい。

 

 

 

さあこの電車、どこに行くのでしょう・・・と思ったら!

 

 

 

20年が過ぎ、なんと「がたごと がたごと」の続編が出版されたそうです。自分のために欲しくなってしまいました。

 

 

 

この絵本は息子の大のお気に入りで、毎回、じっくり見ては、いろんな発見をしていました。息子は乗り物系の絵本が大好きで、てっちゃんだと思いますが、ハワイには電車がありません。絵本の世界で創造を満たしていたのでしょう。

 

 

 

 

「きかんしゃ やえもん」は、阿川弘之さん作、岡部冬彦さん絵で、1959年に出版されました。阿川弘之さんは、1920年生まれ、2015年に94歳で亡くなりました。岡部冬彦さんは、1922年生まれ、2005年に82歳で亡くなりました。昨日の「ちびくろさんぼ」の印象深い絵も岡部さんでした。

 

この絵本の人気も不滅ですね。息子も最も好きな絵本の一冊でした。

 

年を取って疲れたやえもんは、機嫌が悪くて「ぷっすん、ぷっすん」と怒ってばかりいます。「ひゃあ!」と悲鳴を上げてから、「しゃっ しゃっ しゃくだ しゃくだ」と怒りながら走るのがいいですね。

 

 

 

カラーページと白黒ページが交互に出て来ます。都会の駅にはいろんな列車が集まっています。

 

 

 

石炭を食べていることをバカにされ、それをレールバスに笑われ、やえもんはますます怒り出します。


 

 

怒っていたのでいつも以上に、やえもんの火の粉が出て、田んぼの稲むらに火が着いてしまいます。やえもんが火をつけたと怒り出し、やえもんをもう動けないようにしてしまえと追いかけてきます。

 

 

 

「わるかった しゃあ」と逃げ出すやえもん。

 

 

 

会議の結果、やえもんは壊すことに決定します。

 

 

 

壊されるぎりぎり前に、鉄道博物館の人が来て、やえもんを引き取ってくれることになりました。やえもんは博物館に運ばれ、子ども達にきれいにしてもらい、みんなに大事にされ、もう怒ることもなくなりました。

 

 

 

最後の方のページは、ボロボロになっていて写真が撮れませんでした。何度も何度も読んだ証です。「きかんしゃ やえもん」は、阿川弘之さんの文章の魅力が満載です。例え子どもたちが機関車を見たことがなくなっても、この絵本は読まれ続けるでしょう。既にわたしがレースバスを知りません。

 

「ちびくろ・さんぼ」は2冊共に、ヘレン・バンナーマンさん作、岡部冬彦さん絵、光吉夏弥さん訳で、2005年に瑞雲舎から再出版されました。よく知られていることですが、「ちびくろ・さんぼ」は黒人差別があるという批判を受け、アメリカでも日本でも1980年代に1回絶版になりました。瑞雲舎は、昨日の「シナの5きょうだい」の出版社でもあります。

 

ヘレン・バンナーマンさんは、1862年生まれ、1946年に84歳で亡くなりました。岡部冬彦さんは、1922年生まれ、2005年に82歳で亡くなりました。

 

「ちびくろ・さんぼ」初版はイギリスで1899年、ヘレン・バンナーマンさん自身の絵で出版されました。日本では岩波書店から1953年に出版されています。わたし達に馴染み深いこのお話は、ヘレン・バンナーマンさんの原作とは違うそうです。

 

 

子どものころに読んだ記憶が鮮明に残っています。好きだった絵をアップしていきます。トラが耳に靴をつけているところ。

 

 

 

もちろん、トラがぐるぐる木を回ってバターになってしまうところ。このシーンは全ての人の記憶に残りますね。

 

 

 

そのバターでホットケーキを作り、お母さんが27枚、お父さんが55枚、

 

 

 

ちびくろ・さんぼが169枚も食べるなんて、どんなに美味しいホットケーキなのかと思っていました。

 

 

 

「ちびくろ・さんぼ 2」のこの可愛い弟が生まれたところ。うーふとむーふが籠に入っています。

 

 

 

ここが最も好きな絵でした。マグカップの花の絵が微妙に違うところ、いつも見入っていました。そして、どちらの色もよく似合う帯。

 

 

 

2人があまりに可愛くて、猿に連れ去られます。

 

 

 

椰子の木の上で困っていたのを、大きなワシに助けられ、帯を使って戻ってくるところ。

 

 

 

ワシに、お礼に肉をプレゼント。

 

 

 

家族みんなで食事。

 

 

 

愛して止まない絵本の2冊ですが、「差別的な要素がある」というのはとても難しい問題です。「白雪姫」「みにくいアヒルの子」「こぶとりじいさん」も差別的だという指摘があり、「ぞうのバパール」「ドリトル先生」も植民地時代の黒人蔑視が含まれるという声もあるそうです。「ちびくろ・さんぼ」、このまま読まれ続けて欲しいです。

 

「シナの五にんきょうだい」は、クレール・H・ビショップさん作、クルト・ヴィーゼさん絵で、アメリカで1938年に出版、日本では1961年に出版されました。アメリカで差別的な要因があると批判がおき、日本でも1978年に重版が中止されました。1995年、川本三郎さんの新訳で再刊されました。

 

クレールさんは、1899年スイスで生まれ、1993年に94歳で亡くなりました。クルトさんは1887年ドイツで生まれ、1974年に87歳で亡くなりました。2人ともアメリカに渡ってアメリカ人となりました。クルトさんは、6年間中国に住んでいたことがあるそうです。

 

 

この本は有名ですね。めずらしく夫も読んだことを覚えていました。一番上のお兄ちゃんの技は何か聞くと、「耳から火が出る」と言っていましたが。

 

 

 

 

一番上のお兄さんは、毎朝、海の水を飲み干し、必要なお魚を捕って売って暮らしていました。ある日、男の子が一緒に海に行きたいと言いました。海の水を飲むお兄さん。

 

 

 

合図をしたらすぐに戻る約束で、男の子は水がなくなった海を大喜びで走り回っていました。お兄さんの顔、むき出しになった海底がいいですね。

 

 

 

お兄さんが何度戻るように言っても、男の子はいうことをききません。お兄さんは一生懸命がまんしますが、そのうち苦しくなり、口から海の水が出て、男の子は行方不明になりました。村に戻ったお兄さんは首を切られることになってしまいます。「最後にお母さんに会わせて」と家に帰り、2番目のお兄さんと入れ替わります。

 

 

 

群衆の前で刀が振り下ろされましたが、2番目のお兄さんは鉄のように硬い首なので大丈夫でした。

 

 

 

次に海に沈められることになりました。再び、お母さんに会いたいと家に帰り、3番目のお兄さんと入れ替わります。深い海に投げ込まれましたが、足が長く伸びて溺れませんでした。

 

 

 

今度は火炙りになりますが、絶対に燃えない体の4番目のお兄さんと入れ替わり無事でした。最後、生き埋めにされることになり、いつまでも息を止めていられる一番下の弟と入れ替わります。

 

 

 

一番下の弟は、泡立てた卵の白身と共にかまどの中に一晩閉じ込められましたが、翌日、「あ〜よく寝た」と元気で出て来ます。ここまで不死身なのは彼は無実だからということになりました。

 

 

 

めでたし、めでたし。

 

 

 

小さかったころ、このお話が不思議でたまらず、暗記するほど読みました。わたしは一人っ子で、この絵本のように兄弟がいたらいいのにと思いました。海の水を飲み干せるなんて奇想天外でいいですね。今の時代には誕生しないであろう、貴重で、色褪せない絵本です。

 

 

「どろんこハリー」は、ジーン・ジオンさん文、マーガレット・ブロイ・グレイアムさん絵で、アメリカで1956年に白黒で出版されました。日本では、渡辺茂男さん訳で、1964年に出版されました。2002年、グレイアムさんの手によって色がつけられ出版されました。ジーン・ジオンさんは、1913年生まれ、1975年に62歳で亡くなりました。マーガレット・ブロイ・グレイアムさんは、1920年生まれ、2015年に95歳で亡くなりました。

 

うちには日本語と英語の絵本がありますが、色が若干違っていて興味深いです。どちらがグレイアムさんの色に近いのでしょうか。

 

 

 

白くて黒いブチのあるハリーはお風呂が大嫌い。洗うときに使うブラシを庭のすみに埋めて隠してしまいます。そのあと家から抜け出して好きなだけ冒険をします。

 

 

 

真っ黒になって家にもどってきたハリー。

 

 

 

汚れて黒地に白い斑点になったハリー、家族はそれがハリーだと気づいてくれません。

 

 

 

がっかりしたハリーはとぼとぼ門の方へ行きますが、朝、ブラシを埋めたことを思い出し、掘り返し、ブラシを加えてお風呂に飛び込みます。

 

 

 

黒い犬を洗うと・・・それはハリーでした。喜ぶ家族。

 

 

 

ハリーは、うちはいいな〜と思いながら幸せそうに眠ります。

 

 

 

この本が長く人気なのは、子ども達が、自由奔放で賢いハリーに感情移入し、真っ黒になっても、最後にハリーだとわかってもらえることに安堵するからでしょう。永遠のベストセラーです。