「ペレのあたらしいふく」は、エルザ・ベスコフさん作・絵で、スウェーデンで1970年、日本では小野寺百合子さん訳で1976年に出版されました。エルザ・ペスコフさんは、1874年生まれ、1953年に79歳で亡くなりました。

 

「ピーター・ラビット」を描いたポッターに匹敵するといわれるほどのスウェーデンの絵本作家です。「ペレのあたらしいふく」も素晴らしい絵とお話です。昔はこんな風に洋服は作られたのですね。化学繊維の今の服と違い、豊かだったと感じます。

 

 

小さなペレは自分の子羊を1匹持っています。ペレも羊も大きくなり、ペレの服は小さくなってしまいました。まずペレは羊の毛を刈りました。

 

 

 

刈った毛を持っておばあさんのところに行き、人参畑の草取りをする代わりに、毛を梳いてもらいました。

 

 

 

もう一人のおばあさんのところに行き、毛を糸に紡いでもらいます。その代わり、牛の世話をしました。

 

 

 

ペンキ屋さんに染め粉を分けてもらうため、ペンキ屋さんに頼まれ買い物に行きましす。

 

 

 

分けてもらった染め粉で毛糸を青く染めました。

 

 

 

お母さんのところに行き、布を織ってもらう代わりに妹の面倒を見ました。

 

 

 

仕立屋さんのところに行き、服を縫ってもらう代わりに干し草を集めて豚の世話をしました。

 




薪を家の中に運び込むと、ペレの服は仕上がっていました。




日曜の朝、ペレは新しい服を着て、羊にお礼を言いました。働き者のペレ、偉すぎます。洋服を着なくていい動物はもっと偉いと思います!

 

 

ここのところ2晩続け、夜遅くなるとネットワークが不調になりました。最近、全米でネットワークがおかしくなったりと困ったものです。今晩は、無事にアップできました。よかった。

 

「泣いた赤おに」は、浜田広介さん作、梶山俊夫さん絵で、1993年に出版されました。浜田広介さんは、1893年生まれ、1973年に80歳で亡くなりました。梶山俊夫さんは、1935年生まれ、2015年に79歳で亡くなりました。2人の年の差は42歳です。

 

「泣いた赤おに」は、ひろすけ童話の傑作です。わたしも子どものころ、この話を読んでは何回も泣いたのを覚えています。切ないお話です。想像ですが、梶山さんもこの話が好きで、絵を描いて出版したいと思われたのでしょう。

 

 

人間と友達になりたい赤鬼は、お茶をしにきてくださいーと看板を出します。山にやってきた人間が興味深く看板を見ますが、赤鬼を見ると怖がり慌てて逃げていきました。

 

 

 

こんな看板と赤鬼がたたき割っていると、友人の青鬼がやって来ます。青鬼は、自分が人間のところで暴れるから、それを止めに入ったら人間も赤鬼を信頼するのではないかと発案します。喜ぶ赤鬼。

 

 

 

打ち合わせ通り、人間の家で青鬼が大暴れてしているところに、赤鬼がやってきて、青鬼を退治するふりをします。最後、青鬼は柱に激突し、本気で痛がりながら退散します。人間は、赤鬼は自分たちが知っている鬼とは違い優しいことを知ります。

 

 

 

赤鬼は幸せでした。人間はみんな赤鬼の家にお茶をしにくるようになります。しかしあれから全然来なくなった青鬼のことが気になり、しばらく家を閉め、青鬼の住まいを訪ねてみることにします。

 

 

 

青鬼の家にはだれもいませんでした。そこには手紙があり、「自分と会っていることがわかったら人間が疑うから、自分は長い旅に出ます。幸せに暮らしてください」と書かれています。

 

 

 

赤鬼は、その手紙を何度も読み返し悲しくて泣き続けました。

 

 

 

この絵本を読むのは大変でした。大人になっても読んでいるとわたしが泣いてしまうからです。もちろん息子もよく泣いていました。わたしは、青鬼の優しさに涙が止まらなくなります。でも息子は、青鬼が去って、残された赤鬼が可哀想で涙が出ると言っていました。

 

ひろすけ童話の中に脈々と流れる「哀しみ」に心が共振します。

 

 

「ハムスターのハモ」は、高尾裕子さん作・絵で、2004年に出版されました。高尾さんは50代くらいの方で、歴代、自分が飼っていたハムスター7匹に感謝のことばが書かれているくらいのハムスター好きでいらっしゃいます。

 

 

ケージの中で飼われているハモ。ハムスターは夜行性ですね。夜になると・・・

 

 

 

こっそりケージを開けて、家の中の探検に出かけます。ハムスター、こういう格好、しますね。

 

 

 

この魅力的な構図!

 

 

 

洗濯機の下にいってみると、飼い主のケイちゃんが探していたロボット君を発見。洗濯機の上から落ちたロボットは壊れていました。「ボクハ モウ ナガイアイダ ココニイマス ケイチャン ハ ボクノコトハ ワスレテシマッタ」と、小さい声でロボットが言います。

 

 

 

「ケイチャンはロボット君を探していたよ」と、ハモは、ロボット君を直すことにします。ハムスター、可愛すぎです。

 

 

 

きれいに埃を取って、部品を直したり、歯車を填めたり、毎晩、大忙しです。ケイちゃんは昼間、寝てばかりのハモを心配します。

 

 

 

ロボット君は全部直ったのに、ネジを巻かないと動きません。ハモは、ネジを探しに、2階にあるケイちゃんの部屋に行くことにします。そびえ立つ階段。高尾さんの色づかい、とても好きです。

 

 

 

本当にハムスターをよく知っている方の絵ですね。ちょっと体が平べったい感じ!ハモは、ケイちゃんの宝箱の中から、ネジを見つけ出し、ロボット君の所へ行って、ネジを巻きます。

 

 

 

ジージージー、ロボット君はちゃんと動き出し、翌朝、それを見つけたケイちゃんも大喜びします。ハモは寝不足で、昼間はずっと寝ています。

 

 

 

息子も好きでしたが、わたしが好きな絵本でした。

 

 

「あおい目のこねこ」は、デンマーク人のエゴン・マーティンさん作・絵で、デンマークで1949年に出版、日本では瀬田貞二さん訳で、1965年に出版されました。エゴン・マーティンさんは、1907年に生まれ、1976年に69歳で亡くなりました。

 

絵本としては珍しく長く、お話が1の巻〜7の巻まであります。しかしちっとも長いと感じさせず、息子にせがまれよく読みましたが、途中で止めたことはありませんでした。

 

 

シャム猫の仔猫が、ある日、ネズミの国に行こうと冒険の旅に出かけます。青い目をバカにされたり、食べ物がなかったりしますが、ちっともへこたれません。子どもが感情移入し、元気になると思います。

 

 

 

4の巻で、5匹の猫たちに出会います。みんなは目が黄色く「青い目は変だ」と言われます。

 

 

 

青い目の仔猫は水たまりに顔を写し、自分の顔を見ます。青い目はきれいだと思います。

 

 

 

ここが一番好きなシーンです。「ぼくはへんてこなねこじゃないよ」とみんなに言いに行きます。この愛らしい後姿、ピョンピョン跳ねています。

 

 

 

あるとき犬がやってきて、5匹の猫たちは木の上に逃げます。青い目の仔猫だけ、犬をやっつける方法を考えていたら偶然、犬の背中に乗ってしまい、そのままずっと遠くまで行くことになります。着いた先が、ネズミの国でした。

 

 

 

青い目の仔猫がすっかり太って戻ってくると、5匹の猫たちは怯えたまま木の上にいて、ガリガリに痩せています。

 

 

 

青い目の仔猫は、5匹の猫たちをネズミの国に連れて行きます。それからはみんなから慕われ、仲良く暮らしました。

 

 

 

うちの息子はハワイ島で生まれ育ちました。ハワイ島には日本語学校はなく、ずっと現地の学校でした。ハワイの長い夏休みの間、日本の小学校に体験入学していました。息子は日本語を話し、顔立ちも日本人ですが、中味はアメリカ人でした。行動が日本の小学生とは相当違いました。

 

ある日、息子が学校から戻って「マミー、『きもい』ってどういう意味?みんなが僕に『きもい』って言うけど、人気者っていう意味?」と聞きました。わたしの胸はギュッとしました。

 

無意識だったかもしれませんが、そんな経験もした息子にとってこの青い目の仔猫は自分と重なるものがあったのかもしれません。本当に好きで、よく読みました。絵本に助けられたと思います。

 

「すてきな三にんぐみ」は、トミー・ウンゲラーさん作・絵で、アメリカで1962年、日本では、今江祥智さん訳で1969年に出版されました。ウンゲラーさんは、フランス生まれ、20代でアメリカに移り住みました。1931年に生まれ、2019年に87歳で亡くなりました。

 

今日は落ち込むことがあり、元気になる絵本を取り上げたいと思い、「すてきな三にんぐみ」にしました。

 

 

あるところに、3人組の泥ぼうがいました。

 

 

 

脅すための道具、カッコイイです。

 

 

 

怖い3人組を見ると、みんな一目散に逃げ出します。

 

 

 

いつものように馬車を襲うと、そこにはみなしごのティファニーちゃんが載っていました。他に取る物は何もなく、3人組はティファニーちゃんを大事に連れて帰ります。意地悪なおばさんのところに行く途中だったので、ティファニーちゃんも大喜びです。

 

 

 

すっかり三人組のところが気に入ったティファニーちゃんは、ある日、たくさんある金貨を見て「これどうするの?」と聞きます。三人組はそれを考えたことがありませんでした。

 

 

 

そこで三人は、たくさんの捨て子やみなしごを集め、お城を買ってみんなで住むことにします。

 

 

 

お城へ移動中の子どもたち。色のコントラストが美しいです。

 

 

 

やがて子ども達同士は結婚し、そこには村ができます。みんなは三人組を忘れないよう三人組のような塔を建てました。

 

 

 

お話が愉快で、色が気持ちをリフレッシュしてくれて、元気が出てきました。この絵本があってよかったです。

 

*落ち込んだのは、元アナウンサーの久米宏さんが、長年続けていたラジオ番組を止めた後、「久米ネット」という動画で活動をされていました。歯に衣着せない発言が実に痛快な動画でした。しかし体調不良で長期にお休みされることを知ったからです。久米さん、どうぞ治療に専念してください。復活を首を長くしてお待ちしてます。