
「のろまなローラー」は、小出正吾さん作、山本忠敬さん絵で、1965年に出版。「ブルくん ダンプくん」は、谷真介さん作、山本忠敬さん絵で、1982年に出版。「しゅっぱつ しんこう!」は、山本忠敬さん作・絵で、1982年に出版されました。
小出正吾は、1897年生まれ、1990年に93歳で亡くなりました。谷信介さんは、1935年生まれ、現在86歳です。山本忠敬さんは、1916年生まれ、2003年に76歳で亡くなりました。
前に紹介した、「ぶーぶー じどうしゃ」という0歳〜2歳向けの絵本も、山本忠敬さん作・絵です。乗り物を描かせたら、山本さんの右に出るものはいないと思われるくらいの素晴らしい画力とセンスです。しかし、ここだけの話ですが、山本さんの描く人物は、きっと山本さんは人の姿には魅力を感じていなかったのだろうと思えるくらい、乗り物の生き生きした絵と違います。このギャップは興味深いです。
「しゅっぱつ しんこう!」は、お母さんとみよちゃんが田舎のおじいさんの家に行く様子が描かれた絵本です。駅のこの改札が懐かしいです。

大きな駅で特急列車に乗り込みます。

町を抜け、橋を渡り、山の麓の駅に着き、2人は急行列車に乗り換えます。

山を登り、鉄橋を渡り、今度は普通列車に乗り換えます。山奥の小さな駅には、おじいさんが迎えに来てくれていました。乗り物の魅力に溢れてた絵本です。

「ブルくん ダンプくん」が、また乗り物傑作の絵本です。ヘッドライト、バンーパーを使って不自然ではない表情があり、乗り物たちの感情が伝わってきます。仲良しの、ブルドーザーとダンプトラックのお話です。2人で自分がいかに役に立つか自慢し合います。

ダンプ君の方が自慢できることが多いと思ったら、ブル君に助けられた話をされ、ダンプ君は黙ってしまいます。

そこにトレーラーのおじさんが来ると、ブル君が黙ってしまいます。キャタピラーのブル君は、トレーラーに乗らないと、普通の道は移動できないからです。最後、ダンプ君がダンプローダーに変身し、仲良しのブル君を乗せて喜んで走るようになります。

乗り物絵本、傑作中の傑作「のろまなローラー」です。息子もわたしも、この絵本は大好きでした。読み過ぎてボロボロです。
ローラーが重たい車をゴロゴロ転がし道を平にしていきます。形も美しく、表情もいいですね。

後から大きなトラックがやってきて、じゃまだと怒りながら追い越していきます。次に来た立派な乗用車も笑いながら追い越していきました。

小型自動車も、遅いローラーをバカにしながら追い越していきました。

それでもローラーは黙って重い車を転がしながら道を直していきます。しばらく行くと、でこぼこ道でパンクしたとトラック、立派な乗用車、小型車が立ち往生していました。ローラーはそれを横目に道を平らにし続けました。

パンクを直した大きなトラックも、立派な自動車も、小型自動車も、ローラー君のおかげで道がよくなって走れるようになったと、今度はお礼を言って走って行きました。

ローラー君は何も言わずただただ道を直し続け、仕事を終えると、夕焼けの中を帰って行きます。ローラー君の表情が最高、夕日の中、感動的なラストシーンです。

山本忠敬さんは他に類を見ない、独特な魅力ある乗り物を描かれる方です。山本さんの絵を見ていると、お逢いしてみたかった気持ちになります。