アマゾンが日本の消費税を納税する日 | 東京 後楽園で開業する女性税理士 高橋千亜紀 身近な話題から税金についてわかりやすく説明します。

電子出版制作・流通協議会主催の

「海外事業者に公平な課税適用を求める緊急フォーラム」

に参加しました。




皇居平河門近くにある一橋講堂に
300名ほどの参加者が集まり
国会での税制改正への取り組み状況報告から
税法学者 三木義一先生の講演会まで
とても盛況でした。

それだけ、関心が高いテーマということですね。




テーマとなる税目は「消費税」。



ここ数年来、話題になっている

アマゾンやアップル問題です。

消費税は、課税取引を行う事業者が納税する義務がありますが、

海外に本社がある企業の場合は納税義務がないので

結果として、日本国内の事業者と価格格差がついて

国内事業者が不利な状況におかれています。




なぜ、そうなってしまったのか?

アマゾンやアップルは脱税しているのか?

そんなことはありません、日本の税法に則っています。

日本の法律が、現実の商取引に追い付いていないのです。



役務の提供に係る消費税の「課税対象」は

●消費税法第43

  当該役務の提供が行われた場所

と定められていますので、その場所が日本国内にあれば

消費税の課税対象となります。




この国内か国外かの判定(これを「内外判定」といいます)の基準として
●消費税施行令第62項7に
  ・・・・・国内及び国内以外の地域にわたって行われる
  役務の提供その他の役務の提供が行われた場所が明らか
  でないものは、役務の提供を行う者の役務の提供に係る
  事務所等の所在地
と定めているため、アマゾンのように海外に事務所等があると
消費税の課税対象から外れてしまうわけです。

アマゾンだけではなく、日本のネット企業が海外に事務所等を

作ったら、同じく課税できなくなります。




消費税が導入された当時は
今のようなネット時代が来るとは想定してなかったため
そこまで定義づけなかったのです。



この内外判定をさすがに見直す機運が高まり

平成27年度税制改正に織り込んで

早ければ来年秋の消費税率アップ時に

遅くとも再来年の春からの適用になる

というのが、現在の動きだそうです。


消費税は難しい。。。