基関節ってなに? | ヴァイオリニスト 山崎千晶 

ヴァイオリニスト 山崎千晶 

ヴァイオリニスト、作曲家  千晶のブログ。
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いろいろな演奏家との出会い、演奏者の面からの感想、
今までのコンサートの思い出など、
音楽シーン盛りだくさんの内容でお届けします。

「ハヴァシュ・ヴァイオリン奏法」

という本の内容について、

質問があったので今日は

それについて説明したいと

思います。

 

ただし、この本を買って

読んでみて、言わんと

していることが理解できる

方はあまり多くないと

思います。

 

私は何せバイオリンばっかり

の人生でしたし、

いろんな先生から

話を聞いて、さんざん

教えてもらっているので、

前知識があり、その後で

この本をちょっと読んだので

復習になり、

「ああ、これはあのことを

言っているんだな」

と見当がつきますが、

そうでもなかったら

わからないと思います。

 

 

面白いことですが、

この本や、「ビブラート教本」

をこのブログで紹介しながら

最近よく思い出すのが、

超すばらしいポルトガルの

ピアニスト、

M.J.ピレシュさんの

インタビュー記事の一節です。

 

西洋の教育、

私も受けてきた音楽教育は、

技術的なものを優先します。

そして常に新しいものを目指します。

教育のすべての面が、知的化しているのです。

ひとつのすばらしい知識があるとすると、

それを伝達する手段として「本を書く」

「セオリー化する」という方法をとることが多い。

これでは、人間の感情は伝達できません。」

 

あくまで抜粋、ですが

なんかちょっと

こういう本のことを

指しているんだろうな、と

想像できます。

 

というわけで、

本はあくまで

「参考」程度に

考えてください。

 

本気で知りたい場合は

私に質問してくだされば、

解説いたします。

 

今日の質問は、

P58から基関節のことを書いてありますが

一度スクロール側へ傾けてから

音を出すというのがよく理解出来ず。

指を指板に乗せるときに

基関節からの重みを乗せる

という解釈で間違いないでしょうか…?

というもの。

 

まず、この

「基関節」、てなに??

 

この言葉は、ネットで

調べても出てきませんでした。

 

中手指節関節、

これが正しい名のようです。

 

ますます「はぁ?」かお

て感じですが、

つまりツメから数えて

3番目の関節です。

手とつながる

一番もとの、指輪を

はめるところ。

 

P59にいろいろ

書いてありますが、

読んでみるとあまり

重要性はないです。

 

じゃぁ何が言いたいの、

というと、

おもちゃのパチンコ

ありますよね。↓

 

 

 

この、手でぐーっと

引っ張っている。

 

このような感じで

バイオリンのうずまき

のほう、つまり

自分と反対方向に

弦にのせている

指をぐーっと

引っ張れ、と言うことです。

 

 

これはメニューインの

ビデオでもPull and Back、

押す、引く、押す、引くで

解説しています。

 

このP58の前に,やってはいけない

動きとして、

もしも力という考えをするなら、

指が弦を「叩く」たびに、

たたきつけるという打楽器のような

動きによって指先を

押し付けるたびに、音やその

倍音の振動を妨げることになる

とありますから、

 

指を上から下に

叩きつける多くの人が

相変わらずやっている、

ある程度までは

まぁいけないこともないが、

結局は

限界のある動きの代わりに、

そうではなくて

このパチンコのように、

前後に引いたり

押したりする動きの

説明がP58に来ています。

 

しかし、ここで一番

大事な項目は、P61

の「音程の予測」、です。

音程というのは、

弾く前に次の音が

アタマの中にあって

つくられるものです。

 

・・つまり、ひとつひとつの

音に対してそれをやって

ゆくので、最初は

想像に難くないと

思いますが大変な

集中力を要します。

 

もし、本番でアガって

しまったら、

集中力がなくなって

いる状態なので

音程は取れません。

 

この本を読むと、

何だかバイオリンが

妙にとっつきにくい

楽器な印象を

持ちますが、地道に

やっていれば誰でも

ある程度出来るように

なることばかりです。

 

写真:今日のスペイン・セビーリャはこんな感じ。

 

 

 

セマナ・サンタできっとすごいことに。

えらい人ごみなんだろうな。。